トピックス
JPRSの技術者が著者となったRFC(RFC 9499:"DNS Terminology")が発行
2024/03/22
2024年3月21日(米国時間)、ICANNのPaul Hoffman氏とJPRSの藤原和典の共著によるRFC(RFC 9499:"DNS Terminology")が、現状における最良の慣行(BCP:Best Current Practice[*1])として発行されました。このたび発行されたRFC 9499は従来のRFC 8499を置き換える、DNS用語集です。
- 現状における最良の慣行(BCP:Best Current Practice)
RFCの種類の一つで、インターネットにおける重要な運用手法について記述された文書です。RFCの概要についてはJPRSトピックス&コラムNo.22「インターネット標準の作られ方 ~IETFにおける標準化とRFCの概要~」をご参照ください。
https://jprs.jp/related-info/guide/022.pdf
DNS用語集のRFCはDNSで使われる用語を一つの文書にまとめ、その時点の定義を提示するために、これまでに2回発行されました(RFC 7719、RFC 8499)。このRFCにより、DNSのプロトコル開発者・実装者・運用者などのすべての関係者が、同じ用語と意味で情報交換・議論できるようになります。
また、RFCには「委任」「フォワーダー」「ホスト名」「レジストリ」「ゾーン転送」など、従来から広く使われているさまざまな用語とその定義が記述されており、これからDNSを学習しようとする読者にとっての索引の役割も果たしています。
本RFCでRFC 8499から新たに追加された用語は、次の通りです。
- DNS-over-TLS(DoT)
- DNS-over-HTTPS(DoH)
- DNS-over-QUIC(DoQ)
- Classic DNS
- Do53 - Recursive DoT(RDoT)
- Authoritative DoT(ADoT)
- XFR-over-TLS(XoT)
- AXFR over TLS(AXoT)
- IXFR over TLS(IXoT) - Online signing
本RFCで用語の定義が変更された主な内容として、以下の二つが挙げられます。
- Lame delegationについて、現在は元の定義から逸脱した利用がされており、用語の意味が具体的・明確ではないため、歴史的なものと見なして使用を避けるべきであると説明
- 委任先ゾーンとネームサーバーホスト名の関係を表す用語を、従来のIn-domain/Sibling domain/In-bailiwick/Out-of-bailiwickの4種類からIn-domain/Sibling domain/Unrelatedの3種類に分類し直し、In-bailiwickとOut-of-bailiwickは歴史的なものと見なして使用を避けるべきであると説明[*2]
- 本件の詳細については、Internet Week 2023のランチタイムセミナーの発表資料をご参照ください。
グルーレコードについて改めて考える ~ランチのおともにDNS~
https://jprs.jp/tech/material/iw2023-lunch-L4-01.pdf