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ICANNからIDN専門家を招き漢字文化圏TLD用IDN関連ルール作りについて議論
2014年5月8日、ICANNから国際化ドメイン名(IDN)推進チームのメンバーである理事のKuo Wei Wu氏、IDNに関連するルール作成パネルのメンバーであるWil Tan氏ら4名がJPRSを訪れました。
今回のICANN関係者の来訪は、漢字文化圏におけるIDN TLDに関する共通のルール作りについてJPRSと議論を行うことが目的であり、JPRSからは、以前から国内およびグローバルにIDNの技術標準策定と普及促進に携わっている取締役の堀田博文、技術研究部の米谷嘉朗らが参加しました。また、今回の会議にはJPNICからの参加も得て、活発な議論を行いました。
漢字を用いる言語として、日本語以外に中国語・韓国語などがあります。しかし、「漢字」という同じ文字を使っていると言っても、それぞれの言語において使われる漢字の字体[*1]や異体字[*2]の扱いなどについて、共通するところもあれば異なるところもあります。
- *1. 「字体」とは日本における旧字や新字、中国や台湾における簡体字や繁体字のことを言います。
- *2. 「異体字」とは同じ意味(字義)だが形(字体)が違う文字のことを言います。
現在ICANNが進めている新gTLDの導入プログラムではIDNによるTLDも可能となっており、既にいくつかのIDN TLDの運用が始まっています。そのような状況において、TLDにおける漢字の取り扱いに関し、それぞれの言語ごとの状況を考慮した共通ルールを早期に策定することが求められています。
今回の議論では、ICANNとJPRSとの間で、漢字を使う各言語におけるTLDへの漢字の利用について、技術的な課題の定義と共有を行いました。
ICANNからは、IDNに対するこれまでの経験と実績を踏まえ、今後JPRSが中心となって日本語TLDにおける利用可能な漢字の種類や異体字の取り扱いなどの提案を行って欲しいということ、さらに、漢字文化圏におけるIDN TLDに関する共通のルール作りのための調整にも、JPRSが積極的に関与していくことへの期待が表明されました。
JPRSからは、今後ICANNにおいて更なるgTLD導入プロセスの実施が計画されている状況において、IDN TLDにおける課題の重要性を強く認識していること、JPRSの知見を活かす形で今後も貢献していきたいという姿勢をICANNに伝えました。