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株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

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トピックス: 2014年

JPRSが技術コミュニティからの提言に支持を表明 ~4月にブラジルで開催されるインターネットガバナンス関連会合に向けて~

2014/03/19

JPRSは、2014年4月23~24日にブラジルのサンパウロにて開催予定の会合「Global Multistakeholder Meeting on the Future of Internet Governance」(愛称:NETmundial[*1])への貢献の一環として、技術コミュニティから出されている寄書[*2]への支持を表明しました。

NETmundialとは、インターネットガバナンスに関し、全コミュニティがグローバルなマルチステークホルダーによる協力体制の発展に向けた検討を行う会議で、

を主要テーマとしています。

今回JPRSが支持を表明した寄書は、主に技術コミュニティの視点から、次の提言をしています。

■参考

*1. NETmundial
http://netmundial.br/

*2. Internet Governance Observations and Recommendations From Members of the Internet Technical Community
http://www.internetcollaboration.org/ig-recommendations-itcg/
http://content.netmundial.br/contribution/internet-governance-observations-and-recommendations-from-members-of-the-internet-technical-community/235

*2の参考訳:「技術コミュニティ」によるインターネットガバナンスに関する見解と提言

状況

インターネットにおける技術コミュニティ(以下「技術コミュニティ」)は、グローバルなインターネットにおける技術・標準・実装・運用・アプリケーションの複雑な相互作用を理解している世界中の個人と組織によって構成されている。彼らは、政府・国内組織・国際組織・教育機関・市民団体・民間組織と協力し、社会のニーズにも応える形で技術的に動作するインターネットを維持するため、その専門性を発揮する。技術コミュニティは、個々の参加者が幅広いミッションと役割を持ちつつ、インターネット特有の技術的な特徴に対する明確な理解に基づいた共通の文化を共有している。これらの特徴は、利用者全ての経済的そして社会的な幸福の増進のためのプラットフォームとしてのインターネットの過去、現在、未来の成功に不可欠である。

ごく短期間に、インターネットはコンピューターネットワークに関する当時の新理論を試す研究努力から、グローバルなコミュニケーション、ビジネス革新、政府・社会のネットワーク作り、日常生活のための高能力で広範囲に使われる今や不可欠なツールへと進化した。その進化の基盤となった技術選択に責任があった人さえ、今日のインターネットとその影響がどれだけ予期され、意図されたものであったのか、どれだけ幸運で計画外だったのか、という点に関しては異なる認識を持つ。この歴史がどのように解釈されるかに関わらず、今日私達が知っているインターネットを作り出した初期の技術とアーキテクチャーの多くは、ネットワーク自体の統合的でかつ基本的な要素となるべく選択された。それらは複雑で多面的なシステムとしてインターネットに不可欠であり続けている。とりわけ、ネットワークは、必須な調整に必要である最小限の部分のみを中央権力の対象として動作しており、構成要素であるネットワークの自律性と成長を可能としている。

インターネットの技術的なコアとなる機能とプロセスを危機にさらさないために、インターネットガバナンスのポリシー議論においてインターネットの開発と運用に直接責任を持ってきた者たちの経験や洞察に関する情報を得ることは、有益であろう。インターネットの誕生以来、インターネットの発展を推進・維持させてきた原則、すなわちインターネットのプロトコルと標準を開発するためのオープンで包括的なプロセス、ドメイン名やアドレスの割り当てにおける公平な管理、散在する世界中のネットワークオペレーターの協力と協調がこれらの議論における技術コミュニティの重大な貢献である。

技術コミュニティは、グローバルなインターネットガバナンスに関する意見交換において、必要不可欠なステークホルダーであり貢献者である。このコミュニティの組織や個人は、世界各国の多様な法律・行政・統治形態の下、インターネットを創造・改善・展開・管理することに関して40年以上もの経験を蓄積してきた。私達は、現在のインターネットガバナンスに関する議論が今日私達が接しているインターネットの構築に貢献した重要な原則を維持するというコンセンサスに至らないならば、グローバルなインターネットに関する技術的動作が危機に瀕することになると憂慮している。

堅牢で卓越した増殖力のある接続性インフラとしてのインターネットに対して異なるガバナンスの統治形態を持ち込んだ場合の影響は、歴史に精通していない人々や、技術に関する専門的理解が無い人々、もしくはインターネットの展開や運用に関する直接的な経験を持たない人々には明確ではないだろう。明確な潜在的影響を受ける人々に対し、インターネットの技術的な発展・展開に関与する個人と組織の良心のもと、グローバルなインターネットガバナンスに関する意見交換への寄与として以下を提言する。

提言

インターネットに関するポリシーと技術開発プロセスにおけるオープン性と透明性はインターネットの成功にとって本質的なものであり、それは情報通信技術とそれを運用・利用する人々のグローバルかつ相互運用性のある骨組みに依存している。我々は、後述する原則や実践で示す通り、意思決定のためのマルチステークホルダーモデルは、インターネットの技術的開発のためのガバナンスにとって最も効果的なモデルであり、未来のインターネットの進化をより進める能力があると認識している。

A. オープンで包括的な参加:
技術標準の開発とインターネットの資源割り当てを含めたインターネットの技術開発と運用への参加は、全ての当事者及び知識所有者にオープンである。これはインターネットの成功の鍵となっている。ガバナンスのプロセスへの当事者及び知識所有者の参加は、結果が正当なものとして受け入れられ、その結論が有効であることを保証するために必要である。

B. コンセンサスベース:
インターネットの技術標準とプロセスの開発はオープンなコンセンサスの下で行われた。これは、全ての観点が考慮され、幅広い利害の中から合意が形成されることを可能とする。インターネットガバナンスの判断は、オープンで透明性があり相互協力的な作業の下で行われるべきである。ポリシー策定プロセスは個人や集合が持つ専門知識と実践的な経験を情報として取り込むべきであり、判断は投票の結果として行われるのでなくオープンコンセンサスで行われるべきである。

C. 認可不要の革新:
インターネットの著しい成長と革新の喚起、そしてその活用は、インターネットの接続性に関するオープンなモデルと標準の開発に直結して起こるものである。未来におけるインターネットガバナンスに関する調整の道具としての中央権力は、個人または組織の新しい標準、アプリケーション、サービスを作り、使う能力を制約し規制するような形では一切設立されるべきではない。

D. 集合としての管理と権限分散:
参加者間における平等性と公平性についての強い概念はインターネットの技術的な発展を特徴付けている。インターネットの発展と運用の成功は、相互協力し、各組織の自律性、完全性、プロセスを尊重するインターネットコミュニティメンバーによる、それぞれの役割と責任に関する認識によって確かなものとなっている。インターネットの安全性、安定性、弾力性を確保するために、それぞれのステークホルダーがその役割と責任の下で見解を提示することにより、ガバナンスの構造と原則は全てのステークホルダーの強い協力がある環境下で開発されるべきである。

E. 透明性:
インターネットの技術標準化組織と運用組織は透明性を有する形態で機能している。彼らは予定している活動に関する通知を事前に一般に提供する。それには実施予定の作業の範囲と参加条件が記載されている。透明性の原則は、利害を持つ全てのステークホルダーが直接作業の進捗とその結果にアクセスできることを保証する。

F. 実践的で実証的なアプローチ:
技術的な世界では、解決策は技術的なメリットに基づき選択・定義され、全ての参加者による専門的な知識の結集によって判断がなされる。プロセスは、十分な知識を活用した議論に基づき、具体的な問題に対する実践的な解決策を編み出す能力によって推進される。我々はインターネットガバナンスにおける新たな課題における明確さの欠如は、問題への取り組み方に関する不完全な合意に至ると見ている。この精神の下、インターネットガバナンスに関する議論やディベートは、客観的で経験に基づいた情報が与えられ、それらの情報に依拠しなければならない。

G. 自由意志に基づく採用:
インターネットの標準とプロセスは、ネットワーク運用者、機器メーカー、その他インフラ関係の参加者の自由意志に基づいて採用され、その成功は市場によって判断される。インターネットの技術関連ポリシーの開発という範囲においては、自発性という原則は、中央権力によってではなく、ユーザーと世間一般によって成功がもたらされるということを意味する。

インターネットが将来進化するにつれて、その継続的な安全性、安定性、接続性、利便性は人間の活動の最も重要な面をサポートするさらに重要なものとなるだろう。上記の提言は、インターネットの技術開発、展開、運用におけるインターネット技術コミュニティの長期間にわたる強い関与に基づく我々の寄与である。


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