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JPRSの技術者が著者となった標準化過程(Standards Track)RFCが発行
2013/03/14
2013年3月12日(米国時間)、JPRSの藤原和典が著者及び共著者となった以下のRFCが発行されました。いずれも、電子メールアドレスの任意の部分に日本語を含むさまざまな種類の文字を使用可能にするための技術(電子メールアドレスの国際化)に関する標準規格を定めるものです。
RFC 6856: "POP3 Support for UTF-8" http://www.ietf.org/rfc/rfc6856.txt
RFC 6857: "Post-delivery Message Downgrading for Internationalized Email Messages" http://www.ietf.org/rfc/rfc6857.txt
RFC 6856はPOPの仕様を拡張するもので、藤原の他、米国クアルコム社のランダル・ジェレンズ(Randall Gellens)氏、米国オラクル社のクリス・ニューマン(Chris Newman)氏、中国CNNICの姚健康(Jiankang YAO)氏による共著となっています。
RFC 6857はPOP及びIMAPにおいて電子メールの国際化がサポートされていなかった場合に、従来のメッセージフォーマットとの下位互換性を確保するための変換(ダウングレード)の仕様を定義するもので、藤原が著者となっています。
いずれのRFCも電子メールアドレスの国際化に関する一連のプロトコルを構成するものであり、「標準化過程(Standards Track)」に分類されています。標準化過程のRFCは、プロトコルの標準規格を定める重要なものとなります。
電子メールアドレスの国際化に関する標準化作業はIETFのeai WGにおいて進められ、当初、実験(Experimental)を目的とするRFCが発行されました。その後、実験の結果を反映する形で標準化作業が続けられ、今回、他のプロトコルと同様の標準化課程(Standards Track)のRFCが発行されたものです。
■参考URL
- 2009年4月発表プレスリリース:JPRSが国際化電子メールアドレスの標準化活動に貢献
http://jprs.co.jp/press/2009/090402.html - 第84回IETF Meeting報告(2)~EAI、全体会議(プレナリー)における話題~
http://jprs.jp/related-info/event/2012/0913IETF.html
■用語解説
- *1.RFC
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Request for Commentsの略称。
インターネットの技術標準を記した文書で、IETFにおける議論の後に策定されます。Internet-Draftの投稿、分野ごとのWGで議論が行われた後、文書化が必要と判断されたものはIESGに対してRFCにするように申請が行われ、審査の後にRFC番号が発行されます。RFCとなると恒常的にIETFのサーバーにおいて参照可能となります。 - *2.標準化過程
- 標準化過程(Standards Track)は、IETFにおける標準化プロセスの際に実行される一連の過程をいいます。IETFでは標準化が必要と判断した場合、「標準への提唱(Proposed Standard)」というRFCを作成するための作業が進められます。その後、一定の標準化手順を経て最終的に「標準(Standard)」となります。
- *3.POP
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Post Office Protocolの略称。
利用者がメールサーバーから電子メールを取り出すためのプロトコルで、現在のバージョンはRFC 1939により定義されるPOP Version 3(POP3)となっています。 - *4.IMAP
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Internet Message Access Protocolの略称。
利用者がメールサーバー上の電子メールを操作するためのプロトコルで、現在のバージョンはRFC 3501により定義されるIMAP Version 4rev1(IMAP4rev1)となっています。
ダウンロード済の電子メールをメールサーバーから削除する形式が標準となっているPOPに対し、IMAPは電子メールをメールサーバー上に保存した状態で管理する形式が標準となっています。この特徴により、利用者が複数の機器において電子メールの管理を一元化することが可能になります。