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株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

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JPトップレベルドメインの再委任請求に関するIANA報告書(日本語訳)

以下は、
IANA Report on Request for Redelegation of the .jp Top-Level Domain
http://www.iana.org/reports/jp-report-08feb02.htm
をJPRSが参考のために日本語に翻訳したものです。


JPトップレベルドメインの再委任請求に関するIANA報告書


件名: 株式会社日本レジストリサービス(JPRS)へのJPトップレベルドメイン再委任請求
日付: 2002年2月8日


 The Internet Assigned Numbers Authority (IANA)は、ドメインネームシステムのルートの管理に関連する職務の一環として、トップレベルドメインの委任および再委任の請求受理、この種の請求に関連する状況の調査、請求に関する報告を行っている。2001年12月3日、IANAはJP (日本)国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)の再委任請求を受理した。本報告書は、この請求に関連する、IANAによる調査内容および結論を記している。)


事実および手続きの背景説明


 1986年8月、南カリフォルニア大学の情報科学研究所(当時、IANAの機能を担っていた)は、JP ccTLDの設置請求を承認している。この当時から、2文字のコードがISO 3166維持管理機関(ISO 3166/MA)が維持するISO 3166-1リストにおいて規定されていて、日本に対して2英字からなるコードが承認されている。

 日本は、人口が約1億2千5百万で、北大平洋と日本海にはさまれた島礁である。また、47の都道府県からなり、世界第3位の経済力を持っている。


 日本は早くからインターネットに参加してきた。JUNET (Japanese University Network)が1984年に設立され、日本の各大学を相互接続し、1985年には、電気通信に関する規制が緩和された結果、ネットワークの接続試験が始まっている。また、1986年には、JUNETはCSNETおよびUSENETと接続された。村井純氏は、このプロセスで中心的な役割を担っており、日本のインターネットアクセスおよび利用を推進するために、日米両国で必要となる活動を明確化する責も負ってきた。

 1986年8月5日、すなわち1984年および1985年の、現在のドメインネームシステム(RFC921参照)を採用してまもなくのこと、JP ccTLDは、Jon Postel博士 (当時、情報科学研究所でIANA機能を担当していた)によって、村井純氏に委任された。これは、ある意味で、ドメイン名を国および地域に割り当てるテストケースとなった。当時、Postel博士は、一般的な慣行としてccTLDに関する権限および責任を信頼できる個人に委任していた。

 村井純氏は初め、JUNETの運営を行っていた"junet-admin"グループ内でJP ccTLDの管理・運用を開始した。最初、JUNETは、トップレベルドメイン名".junet"を使用していたが、 村井純氏は、トップレベルドメインに関する国際ルールが確立される途上にあるため、日本のインターネットコミュニティは.jpを使用すべきであると提案した。1989年4月、junet-adminは、JPドメイン名の登録を開始した。この.junetから.jpへの切り替えは約3ヶ月で完了し、.junetドメイン名は、.ac.jp、.co.jpなどのドメインに変更された。

 しかし、インターネットの急成長に伴い、ドメイン名の登録、IPアドレスの割り当て業務など、インターネット資源の有志による管理は限界に達し、日本のインターネットユーザのニーズにすばやく応えることが困難になった。各方面の学会間で議論を重ねた結果、JCRN (研究ネットワーク連合委員会)が設立され、この組織が、1991年12月にJNIC (Japan Network Information Center:日本ネットワークインフォメーションセンター)の設立を決定した。本センターが、JP ccTLDの管理・運用の制度的枠組みを提供することになったのである。

 1993年4月、村井純氏の同意を得て、JNICはJPNIC(JaPan Network Information Center:日本ネットワークインフォメーションセンター)として再編された。その会員は、日本を本拠としているISP、研究ネットワーク、大学ネットワークであった。この再編の結果、JPNICは会費制度を導入して財政的に安定化したため、運用にさらなる責任を持つ基礎ができた。また、事業に関する、公正で透明な意思決定を推進するために、JPNICは運営委員会および検討部会を立ち上げると共に、ポリシーに関する情報開示の方針に基づいて、積極的に意見を公募した。また、会員の総意が主要なポリシーの策定に反映されると共に、最終決定が総会に諮られる制度も整えられた。

 政府による関心が高まるにしたがい、JPNICは事業目的を日本政府に詳細に報告し、1997年3月31日に、科学技術省、文部省、通商産業省、郵政省(現在の文部科学省、経済産業省、総務省)から、社団法人として認可された。JPNICは引き続き社団法人として、これらの省庁による指導監督のもと運営されている。

 JPNICは、インターネットコミュニティの利益のために、国際調整、情報提供、教育普及活動である毎年の"Internet Week"開催、JP-DRP (JP ドメイン名紛争処理方針)の作成など、各種活動を実施している。また、JPNICは、最近、国際化ドメイン名の技術的研究を着々と進めている。これらの努力の結果、JPドメイン名の登録数は、1999年9月に100,000件、2000年9月には200,000件を突破した。

 このJPドメイン名の急増は、日本国内のインターネット人口の激増とあいまって、JPNICにとって新たな挑戦となった。ドメイン名空間の効率的な利用を維持し、ドメイン名に関する紛争を抑止するために、JPNICは"1組織1ドメイン名"の方針を採用してきた。しかし、インターネットが成長し、その利用が拡大した結果、日本のインターネットユーザは、1つの組織に複数のドメイン名を求めるようになってきた。さらに、1999年初頭あたりから、国内における.jpと.comなどのgTLDとの間でドメイン名登録の競合が激しくなった。このような状況のもと、ユーザのニーズに応えるために、JPNICは、既存の1組織1ドメイン名という空間に加えて、1つの組織が複数のドメイン名を登録できる、"汎用JPドメイン名"空間を導入する可能性を検討し始めた。また、2000年の後半には、JP-DRP (JPドメイン名紛争処理方針)が策定・施行されたため、紛争処理手続きが作成され、汎用JPドメイン名が導入できる環境が整うことになった。

 汎用JPドメイン名を導入するにあたって、インターネットユーザのニーズにできるかぎりタイムリーに応えるために、可及的速やかに登録サービスを立ち上げることが重要であった。また、汎用JPドメイン名の登録数が急増することも予想されたために、JPドメイン名全体の登録システムと業務がより安定すること、登録需要の急変に対応できることも求められた。

 さらに、必要な設備投資を適切なときに行うための内部留保や資金調達が日本の公益法人のままでは難しいという状況が生じてきたことに加え、民間が行うべき事業については、社会的、経済的状況の変化により、営利企業の事業と競合し、または競合しうる状態となった場合には、公益法人は、適切な改善措置を行うか、行えない場合は営利法人へ転換すべきであるという日本国政府の指導監督基準があった。

 これらのことを背景として、JP ccTLD内での登録体制を再編することが検討された。会員およびインターネットコミュニティとの集中的な協議の結果、JPNICは、新会社を設立し、これにJPドメイン名の管理・運用を移管することが適切であると判断した。2000年12月22日に開催されたJPNIC第11回総会で、2つの草案が提出され、多数の賛成により承認された。すなわち、"汎用JPドメイン名の登録管理業務を行なう新会社設立の件"および" JPNIC会員制度および会費制度を改めた上、上記新会社に属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録管理業務を移管する件"である。

 この12月22日の総会の決議に基づいて、JPRS (株式会社日本レジストリサービス)が、2000年12月26日に設立された。これ以降、JPNIC、JPRSおよびインターネットコミュニティは、JPドメイン名の登録管理を公益法人から民間企業にスムーズに移管するための方策について検討した。この方策はまた、JPドメイン名の管理・運用を効率化して競争力を持たせること、公共の利益のために運用されると同時にユーザに利便性を提供することを意図している。

 十分な調査および協議を行った結果、JPNICとJPRSは、移管の概略について相互に合意した。そして、2001年11月9日に、JPドメイン名登録管理の移管に関する覚書が、これら2組織によって締結された。2001年11月12日には、日本の政府当局に、この覚書の締結が報告された。2001年12月3日、JPRSは、IANAに対して、JPトップレベルドメインの再委任請求書を提出するとともに、ICANNと適切なccTLDスポンサ契約を締結したいとの要望を表明した。



評価


 本報告書は、アメリカ合衆国政府およびICANNの間のIANA機能履行契約に基づいて提供されている。この契約のもとで、ICANNは、ccTLDに関する委任または再委任請求の受理、これらの請求に関する状況の調査、請求に関する報告などのIANA機能を実施している。

 再委任請求を処理する際、IANAは現在、"インターネットドメインネームシステムの構造と権限の委任" (ICP-1)に要約されている手続きを順守している。ICP-1は、ccTLDを扱っているRFC 1591 (1994年3月発行)の一部を更新したもので、1999年5月までにIANA が採用した文書および方針を反映している。

 ccTLDの委任または再委任を検討する際、IANAは、この移管によって重大な影響を受ける当事者、特にccTLDが設立されて恩恵を受ける国または地域内の当事者から意見を聴取している。ICP-1に記述されているように、当事者には、特に当事国の政府もしくは公的な当局も含まれている。つまり、"ccTLDの委任に関連する当事国の政府の意思は、非常に重視される。IANAは、すべてのTLD の委任/移管協議でその意思を尊重する"と記述されている。

 JPRSによる再委任請求を受理した時点で、IANAは、再委任の適正性および日本のインターネットコミュニティ内部で行われた協議の程度について、運用責任者/技術連絡担当者および日本政府と協議した。これに対して、IANAは、総務省の阪本泰男氏、およびJP ccTLDの現在の委任先である村井純氏から、JPRSに対するJP ccTLDの再委任を、十分に検討した結果、支持するとの回答を得た。これらの回答の中では、日本のインターネットコミュニティとの十分な協議状況が詳述されているだけでなく、この再委任案が強い支持を受けているとも述べている。この説明に基づいて、IANAは、JPRSに対するJP ccTLDの再委任の実行には広範な支持があると結論する。

 2000年2月、ICANNの政府諮問委員会(GAC)は、一般に"GAC原則" と呼ばれている文書、すなわち"国別コードトップレベルドメインの委任および管理に関する原則"を公表した。 これらの原則は、公共の利益のために管理されるべき公的資源であるとGACが考えるインターネットの名前システムに関して、政府が適切な役割を担うときの手引きとなる「最良の慣行」としての機能を果たしている。この文書では一般的に、各国政府が国内の公共政策の目的を達成する最終責任を有していると考えているのに加え、インターネットドメインネームシステムが継続して効果的かつ相互運用性を有するグローバルな名前システムを提供することを保証する責任を、ICANNが有していると考えている。GAC原則は、各国政府およびICANNが、相互におよびccTLD管理者とのコミュニケーションで重視されるべき責任の遂行確認の枠組みを作り、それぞれの役割を追及するよう推奨している(第2条参照)。また、GAC原則は、ccTLD管理者との関係を責任もって構築する方法の手引きを政府に与えている(第5条第5項および第9条参照)。これら特定の原則の中にあって、最良の慣行では、ccTLD管理者がインターネットDNSのグローバルな調整においてICANNポリシーを順守することを、政府が支援することが期待されている(条項9.1.7および9.1.8)。

 これらの原則は、公共の利益を保護するために監視はするが、ドメインネームシステムの民間による管理・運用を支持するという日本政府の方針と整合している。賛意の書簡の中で述べているように、日本政府は、JPNIC (政府当局の指導監督のもとで運営されている公益法人)の支援を得て、JPRSが日本のインターネットコミュニティの利益を最大限に尊重してJP ccTLDを運用管理することを保証する。GAC原則との一致のもと、JPRSおよびJPNIC間のJPドメイン名登録管理の移管に関する2001年11月9日付け覚書によって、JPNIC、およびこれを通じて日本政府が、国内のインターネットコミュニティの利益を保証する責務を遂行することを可能にする、健全な機構が立ち上げられた。また、ICANNに対する承認の書簡の中で、日本政府は、"グローバルなドメインネームシステムの運用管理に関する技術標準および実践基準の確立、普及、ならびに実装の監督に対するICANNの機能"を認めると共に、次のように述べている:"ICANNは、効果的で利便性の高いグローバルな通信メカニズムを維持するためにインターネットの技術調整を監督する適切な国際機関である。"

 JP ccTLDの委任を、IANAとの非公式な了解のもとで活動している信頼に足る個人から、委任先組織、当該政府、およびICANN (IANAの機能を履行している)間の正式で法的拘束力がある体制に移行するという、この委任案は、国内インターネットコミュニティに恒久的なサービスを提供すると共に、ICANNの設立趣旨でもある、グローバルな技術調整による持続的なインターネットの相互運用性の保証を助けるものと考える。この点に関して、ICANNおよび政府間の密接な調整の必要性を説く日本政府の認識は特記すべきことである。特に、その賛意の書簡で述べているように、国内の(日本政府/JPNICの監視下にある)およびグローバルな、JP ccTLDに関するポリシー要件の調整が行われること、また、万が一必要が生じた場合には、JPRSからさらに他のJP ccTLDの委任先に移す手続きの調整が行われることが重要である。



結論


 JPRSが提案し、JPNICと日本政府が承認する機構は、JPNICの支援を得た政府による、国内の公共政策を考慮した適切な監視のもと、JPRSがJP ccTLDの運用管理を行うというものである。また、JPRS、JPNICおよび日本政府は、グローバルな技術調整の利益を守るために、JP ccTLDを含めたDNSの運用管理を調整するというICANNの責務を認め、支持している。この枠組みは、これまでインターネットの繁栄の基盤になってきたところの、民間部門が責任を持って技術調整を行うという原則と調和している。今回の要請を審議し、また、JPRSを適正な民間部門の管理者として支持するという日本政府の書簡を検討した結果、IANAは、これらの責務をJPRSが全うすることが適正に保証されることを前提とし、JPRSがJP ccTLDの適正な委任先であるとの結論に達した。

 この保証のための1つの仕掛けは、GAC原則に書かれている体制の存在である。当事国政府が、(その当地地域内にある公益法人JPNICによる支援を得て)国内インターネットコミュニティに対するccTLD管理者のサービスを監視する最終責任を果たす用意があり、また、管理者自身がこの枠組みの中で任務を果たす用意がある場合、国内のおよびグローバルなインターネットコミュニティの利益は、ICANNがこの協力体制に参加することによって保証される。

 3つの部分からなる本体制の中の2つの部分-委任先/政府および政府/ICANNコミュニケーション-は、すでに実施されている。従って、GAC原則の第10条に定められた原則を反映すると共に、必要に応じて地域の状況に適合するよう調整された形で、ICANNおよびJPRSが相互に満足できる契約が締結された時点で、JP ccTLDは、JPRSに再委任されるべきである。契約が実施される時点で、アメリカ合衆国商務省は、ルートゾーンファイルに.jpエントリを維持する手続きを改訂する必要がある。これによって、ICANN はこの契約が指定する責務を果たすことが可能になり、またインターネットの技術的な運用管理の民間部門への移行を、責任を持って進めていくことが可能になる。



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