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ICANNと米国政府との契約の終結について

2009/10/02

2009年9月30日、ICANNは、米国政府との間で締結されてきた契約(JPA: Joint Project Agreement)を終結させ、米国政府の管理下から独立することを発表しました。

ICANNはインターネット資源管理のグローバルなポリシ調整を行うための民間非営利団体として1998年に設立されましたが、ドメイン名やIPアドレスの管理は歴史的経緯により米国政府の管理下で行われていたことから、ICANN設立にあたっても米国政府との覚書(MOU)が締結され、米国政府の管理下におかれている形となっていました。

このMOUはその後JPAとなり、幾度かのレビューと、実に7回、11年にわたる更新を重ねてきました。ICANNは、このJPAを終結させて一国政府の管理下から独立することを目指し、この間に民間のマルチステークホルダによる組織レビューの枠組みを構築、実績を積んできました。

そして今回、JPAが2009年9月30日に契約期限を迎えるにあたってのレビューが行われ、ついにICANNと米国政府はこのJPAを更新せず終結させることに合意しました。

これにより、2009年9月30日でJPAは期限切れ無効となり、代わって無期限の新しい「The Affirmation of Commitments」が2009年10月1日発効で締結されました。これはICANNと米国政府がそれぞれ自身の責任を表明したものです。

ICANNは、今後も非営利で公益を追求し、透明性を確保することや、民間によるマルチステークホルダ主導を維持し、自身が責任を果たしているかどうかのレビューを実施していくことなどを表明しています。

米国政府は、ICANNのマルチステークホルダによる民間主導モデルを将来に渡り支持すること、自身はGAC(政府諮問委員会)に参加し、その一員としてICANNをレビューしていくことなどを表明しています。

2009年10月1日より、ICANNは米国政府の管理下を離れ、自らの築いた民間の枠組みで役割と責任を果たしていくことになりました。

JPRSは、民間によるインターネット資源管理を支持し続けてきています。JPRS自身も民間組織としてJPドメイン名のレジストリを担い、同じく民間組織であるICANNとのスポンサ契約によって国際的な枠組みを構築しています。

またJPRSは、ICANNの自立と自律のために、CouncilやWGへの参加、ポリシー策定への参画などを積極的に行ってきました。

過去幾度かのJPAのレビューに際しても、ICANNが進化しつつあり、その責務を全うできる能力を備えてきたことを表明し、ICANNを支持してきました。

JPRSは、今回のICANNと米国政府の合意を、民間によるインターネット資源管理の成功事例として歓迎するとともに、インターネットとICANNの健全な発展のために、これまで以上に貢献していきます。

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