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ENUM関連情報

■ENUMとは?

「電話番号による名前空間を用いて、インターネット上のサービスを識別するメカニズム」であり、「様々な通信サービスに対し、電話番号という統一的な識別子で通信相手を指定する技術」です。

現在、インターネットでは、Webや電子メールばかりではなく電話やFaxも利用されるようになり、通信サービスの形態はますます多様化して来ました。
これら複数の通信サービスを一人一人のユーザーが利用するためには、一人の通信相手のためにそれぞれのサービスの識別方法を記憶しておく必要があります。
こうした様々なサービスを通信相手が持つ一つの電話番号によって管理することで、利便性が生じるのではないか、というのがENUMの観点です。

ENUMに関しては、世界各国で実用化に向け、研究開発が進められており、わが国でも、インターネット電話・IP電話の普及、また、050で始まるIP電話の番号割り当ての開始、といった実需を受け、理解を深め、将来の方向性を検討することが急務になってきました。

ENUM概要図
・DNS(Domain Name System)とはインターネットに接続されたコンピュータの情報(ドメイン名とIPアドレスへの対応など)を提供する仕組みです。
・SIPとは、音声通話をはじめ、テレビ電話などのビデオ通信やチャットなどのマルチメディア通信を開始したり、終了したりするために使用されるプロトコルです。
・URIとは、抽象的な資源あるいは場所で指定された資源を識別する簡潔な文字列であり、URLを拡張した記述様式です。

従来の電話では相手を識別するために、数字の組み合わせによる電話番号を使用しますが、ENUMは、一つの電話番号でインターネット上で利用可能な複数のアプリケーションを対応づけることができます。
例えば、既存の電話網に接続された電話機から、インターネット上のPCや電話機、Faxなどの端末機器に接続する際に、「ENUM」が有効になります。また、インターネット上の機器からの発信の際にも、相手の端末の種類に関わらず一つの電話番号で相手を指定できます。

ENUMとは、E.164番号(*)に基づく電話番号をドメイン名に変換し、DNSを検索することで、対応する(複数かもしれない)アプリケーションをURI形式で得る機構です。
ENUMの利用は、二つの処理により行われます。一つ目は、着信者が自分の電話番号に連絡が来た場合の通信方法をENUM DNSに登録すること、二つ目は、発信者が着信者の電話番号に対して指定されている通信方法を知ることです。

ENUMの実際の動作例について説明します。

ENUM動作例

1.電話番号を03-1234-5678と仮定します。
2.着信者は、自分の電話番号+81312345678に対応する通信サービス、Web、電子メール、電話、Faxなどの受信用URIをENUM DNSに登録します。このとき、この数字を逆の順番にして最後にe164.arpaをつけたもの(8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa)がドメイン名として使用されます。
3.発信者は、着信者の電話番号に対応するドメイン名(8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa)に対して指定された通信方法をDNSにより検索します。
4.この結果ENUMを利用すると、相手への連絡方法として、複数の通信サービス、Web、電子メール、電話、Faxなどに接続できることが判ります。
5.発信者が使用できるプロトコルのうち、着信者が指定した優先順位で通信プロトコルを選択し
6.実際に通信を行います。

*E.164番号は、ITU-T(国際電気通信連合-電気通信標準化部門)の勧告であるE.164の中で規定されている電気通信番号です。(日本の国番号は81)