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プレスリリース

2003年8月5日発表

報道関係者各位

WIDEプロジェクトとJPRSが災害時や非常時に向けて「JP」ドメインサーバの本格的な可用性確保策を実施

-JP DNSの地理的分散化、サーバ名の統一を開始-


大規模・広域の分散型コンピューティング環境の構築を目指すWIDE Project(以下WIDE、代表:慶應義塾大学 教授 村井純)と、JPドメイン名の登録管理およびドメインネームシステム(DNS)の全体管理と運用を行う株式会社日本レジストリサービス(以下JPRS、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:東田幸樹)は、「JP」ドメインサーバの東京・大阪における本格的な分散運用を開始しました。また、これらサーバ名は、JPRSが直接管理する統一的なもの(A~F.DNS.JP)への移行を開始しました。これにより、災害時や非常時などにおいて、より高い可用性を提供することが可能になりました。

今回の分散運用は、JPRSを中心とする、6台のJP DNSサーバ運用管理者の会議が推進している、JP DNSの安定運用への取り組みの先鞭となるものです。従来、JP DNSサーバは東京に集中しており、災害発生時等の危機管理対策の充実の必要性が指摘されていました。その対策として、まず昨年3月に、わが国のインターネットの創成期から WIDEが運用を行ってきたDNSサーバを大阪に移設することにより地理的な分散配置を行いました。さらに、この度サーバを収容するネットワークも分散化し、東京で災害等が発生した場合でもJP DNSの安定性を飛躍的に向上させています。

また、JPRSを中心に、サーバ名を「DNS.JP」ドメインに統一することによるDNS処理の効率化および管理の明確化が計画されてきましたが、その第一弾としてWIDE が大阪で運用を行っているサーバに適用し、サーバ名を 「E.DNS.JP」に変更しました。同時に、サーバのIPv4アドレスの変更も行い、同サーバをWIDEの基盤から独立して運用できる体制を整備しました。この名前の変更は、JP DNS全体の管理責任組織であるJPRSがIANAに申請しており、7月10日にこの変更がインターネット全体に反映されたことにより、JP DNSの安定運用の新たな取り組みがスタートしました。また、アドレスの逆引きに関してはJPNICおよびJPRSによる作業が7月25日までに完了したため、第一弾の移行は概ね完了しています。

今回のネットワークの独立化では、「E.DNS.JP」サーバを、インターネットマルチフィード社の協力により、NSPIXP-3に加えてJPNAP大阪にも接続し、また、WIDEを始め、IIJ、KDDI、BIGLOBE、POWEREDCOM の各社により内外のISPへの接続性が提供されています。このため、従来より高い可用性が確保されています。なお、今回の変更に伴い、インターネット上の各種サーバ等の設定を変更する必要は一切ありません。

WIDE、JPRSは今後も、他のJP DNSサーバ運用者等と協力し、インターネットコミュニティ、社会のニーズに応えるべく、JP DNSのさらなる安定運用に努めてまいります。

■用語解説
※1.「IANA」
「Internet Assigned Numbers Authority」グローバルにドメイン名、IPアドレス・ プロトコル番号などの重要なインターネット資源を管理する機能です。南カリフォルニア大学情報科学研究所(ISI)のJohn Postel氏が中心となってスタートさせたプロジェクトで、インターネット資源の管理をボランティアで行っていましたが、1998年の ICANN設立後、資源管理はICANNに引き継がれています。

■参考URL

  1. E.DNS.JP
    http://e-dns-jp.wide.ad.jp/
  2. JPRS DNS関連技術情報
    http://jprs.jp/tech/
  3. 「JP DNSの安定運用への取り組みについて」
    http://jprs.jp/tech/jp-dns-info/2003-07-10-jp-dns-operation.html

■WIDE Project
http://www.wide.ad.jp/
インターネット関連技術の実践的な研究開発を行う研究コンソーシアムで1988年に活動を開始し、133社11大学などと幅広い分野で共同研究を行っているほか、1997年よりDNSのルートサーバの一つである「M.ROOT-SERVERS.NET」の運用も行い、インターネットの発展に寄与しています。

■株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
http://jprs.co.jp/
http://日本レジストリサービス.jp/
JPドメイン名の登録・管理、およびドメインネームシステム(DNS)の運用を行う会社として2000年12月26日に設立。JPRSはネットワークの基盤を支える企業として、インターネットの発展に寄与し、人と社会の豊かな未来を築くことに貢献することを企業理念として活動しています。

■本件に関するお問い合わせ先


WIDE Project
e-mail:press@wide.ad.jp


株式会社日本レジストリサービス(JPRS)社長室広報
e-mail: press@jprs.co.jp
http://jprs.co.jp/
http://日本レジストリサービス.jp/

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