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プレスリリース

2009年4月2日発表
報道関係者各位

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

JPRSが国際化電子メールアドレスの標準化活動に貢献

‐JPRSの技術者が著者となったRFCが発行、国際化メールアドレスの実用化に向けた実証実験の準備が整う‐


 JPドメイン名の登録管理およびドメインネームシステム(DNS)の全体管理と運用を行う株式会社日本レジストリサービス(以下JPRS、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:東田幸樹)は、本日、JPRSの技術者が著者となった、国際化電子メールアドレス(EAI)の規格を定めたRFCが発行されたことを発表しました。なお、これにより、国際化電子メールアドレスの実用化に向けた実証実験の準備が整ったことになります。

 通常、電子メールアドレスは「ユーザー名@ドメイン名」という形式で表されます。そのうち、@の右側の「ドメイン名」の国際化については、国際化ドメイン名(IDN)として、既に標準規格が定められています。今回の国際化電子メールアドレスは、@の左側の「ローカルパート」と呼ばれる部分も含んだメールアドレス全体の国際化を行い、電子メールアドレスの任意の部分に、日本語を含むさまざまな言語の文字を使用可能にするための技術です。

 電子メールアドレスの国際化は、英語以外を母国語とする多くのインターネットユーザーにとって、インターネットの利用障壁を取り除くための重要な技術開発の一つです。しかし、電子メールはインターネットにおける基本サービスの一つであるため、その国際化は従来の電子メールシステムとの互換性を保ちつつ、将来的な拡張にも対応できる形で行われる必要があります。

 今回、電子メールシステムを構成するそれぞれのプロトコルを拡張し、かつ互換性を維持するための基本となる規格が、実験規格として4つのRFC(RFC 5335、RFC 5336、RFC 5337、RFC 5504)にまとめられました。そのうち、今回発行されたRFC 5504は、国際化電子メールアドレスを使用した場合の、既存の電子メールシステムとの互換性に関する規格を定めたもので、JPRSの藤原和典と米谷嘉朗の2名による共著となっています。

 今回のRFC発行により、国際化電子メールアドレスを取り扱うための基本となるRFCがすべて出揃い、実用化に向けた実験実装の作成や、インターネットにおける実証実験が可能になりました。今後、実証実験等を通じ、電子メールソフトウェアへの機能実装や、標準規格となる各種RFCの作成に向けた検討が進められていく予定です。

 JPRSは、今後もJPドメイン名のレジストリとして、その公益性に鑑み、広くインターネットコミュニティ、社会のニーズに応えるべく、より利用しやすく価値の高いJPドメイン名サービスの提供に努めてまいります。



■用語解説

※1.「RFC」
 「Request For Comments」の略。インターネットの技術標準を記した文書で、インターネットにおける通信や運用管理は、RFCに従った形で行われます。 RFCには発行日時順に通し番号が振られ、内容の改版が行われた場合、新しい番号のRFCが新たに発行されます。

※2.「EAI」
 「Email Address Internationalization」の略。従来アルファベットと数字、一部記号のみが使用可能であった電子メールアドレスに、日本語を含む各国語の文字を使用可能にするための技術をいいます。電子メールの@から右側は「国際化ドメイン名」として既に標準化が行われていますが、EAIにより@の左側も含む、電子メールアドレスのすべての部分で日本語を含む各言語の文字が使用可能になります。

※3.「プロトコル」
 ネットワークを介してコンピュータ同士が通信する際の約束事、決まりの集合をいい、通信手順・通信規約とも呼ばれます。



■株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

URL:http://jprs.co.jp/
   http://日本レジストリサービス.jp/

 JPドメイン名の登録・管理、およびドメインネームシステム(DNS)の運用を行う会社として2000年12月26日に設立。JPRSはネットワークの基盤を支える企業として、インターネットの発展に寄与し、人と社会の豊かな未来を築くことに貢献することを企業理念として活動しています。




■参考URL

  1. RFC 5504
    (Downgrading mechanism for Email Address Internationalization. K. Fujiwara, Ed., Y. Yoneya Ed.. March 2009.)
    http://www.ietf.org/rfc/rfc5504.txt
  2. RFC 5335
    (Internationalized Email Headers. Y. Abel, Ed.. September 2008.)
    http://www.ietf.org/rfc/rfc5335.txt
  3. RFC 5336
    (SMTP Extension for Internationalized Email Addresses. J. Yao, Ed., W. Mao, Ed.. September 2008.)
    http://www.ietf.org/rfc/rfc5336.txt
  4. RFC 5337
    (Internationalized Delivery Status and Disposition Notifications. C. Newman, A. Melnikov, Ed.. September 2008.)
    http://www.ietf.org/rfc/rfc5337.txt
  5. JPRSトピックス&コラム No.11「電子メールアドレスの国際化~Email Address Internationalization(EAI)の概要~」
    http://jpinfo.jp/topics-column/011.pdf



■本件に関するお問い合わせ先

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)広報宣伝室
TEL:03-5215-8451 FAX:03-5215-8452
e-mail:press@jprs.co.jp
http://jprs.co.jp/
http://日本レジストリサービス.jp/
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1千代田ファーストビル東館13階

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