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プレスリリース

2004年7月21日発表
報道関係者各位


株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

JPドメイン名がTLDとして世界で初めてIPv6に完全対応

-日本におけるインターネットのIPv6化が大きく前進-


JPドメイン名の登録管理及びドメインネームシステム(DNS)の運用を行う、株式会社日本レジストリサービス(略称JPRS、住所:東京都千代田区、代表取締役社長 東田幸樹)は、本日、JPドメイン名のネームサーバ(JP DNSサーバ)に付与されたIPv6アドレスがルートサーバに登録され、インターネット上における通常の名前解決により参照可能となったと発表しました。.JPは、.KR(韓国)とともに、TLDとして世界で初めてIPv6に完全対応したことになります。これにより、.JPをドメイン名として持つIPv6アドレスが付与された機器に、IPv6でアクセス可能な環境が大きく広がり、日本におけるインターネットのIPv6化が大きく前進しました。

JPドメイン名では2000年3月より、ネームサーバのIPv6アドレス登録サービスを行っています。これに加え、2001年8月よりJPドメイン名を管理するネームサーバ(JP DNSサーバ)自身へのIPv6アドレス付与を開始し、そのアドレスにIPv6でアクセス可能となるよう、2002年11月よりIANA にルートサーバへのIPv6アドレスの登録を申請していました。しかしTLD DNSサーバにおけるIPv6対応が世界初であったということもあり、IANAでの技術検証に時間がかかっていました。今回その検証が完了し、7月20日(米国西部時間)に、正式にインターネット全体にJP DNSのネームサーバ6台のうち、IPv6アドレスを付与された4台全てのIPv6アドレスが提供されたものです。これにより、ドメイン名として.JPを含む機器に対するアクセスにおいて、ルートサーバを除くすべてのネームサーバでIPv6による名前解決が利用可能となりました。

日本では、世界に先がけてJP DNSにIPv6アドレスを登録可能とし、またJP DNSサーバへのIPv6でのアクセスを可能とすることにより、IPv6アドレスの国内での利用が進められてきましたが、これをインターネット全体に広げるためには、あと二つの課題が残されていました。その一つは、IANAが管理しているルートサーバに登録される各TLD(たとえば.JP)のネームサーバのアドレスとしてIPv6アドレスを登録すること、もう一つは、ルートサーバ自身にIPv6アドレスを付与することです。今回は、.JPに関して、この一つ目の課題が解決したことになります。

ルートサーバはインターネットの基盤サービスであるドメイン名システムの大元を管理するサーバであるため、その変更はインターネット全体の安定性や信頼性に大きな影響を及ぼす可能性があります。そこで、JPRSは、WIDE Projectをはじめとする各国のインターネット研究機関と協力し、ネームサーバにIPv6アドレスを付与し利用可能とすることによる影響について、論理的な検証と実証実験を行ってきました。このたび、これらの結果を利用し、安全にIPv6を利用可能とするための技術的内容とその手続きがIANAにより整理され、実現する運びとなりました。その手続きに則って世界で初めてIPv6によるアクセスが可能となるTLDが、.JPと.KRということになります。

JPRSは今後、IPv6によりインターネットが構成されるために必要となる最後の課題である「ルートサーバへのIPv6によるアクセス可能化」に向け、インターネットコミュニティとのいっそうの協力を進めます。また、インテック・ネットコアとの次世代インターネット普及度測定の共同研究も継続します。これらを通し、さらにIPv6の推進に取り組み、JPドメイン名のさらなる価値向上、次世代インターネットの普及促進に努めてまいります。

■IPv6について
IPv6は、Internet Protocol Version 6の略です。現在インターネット上で一般に使われている通信手段はIPバージョン4(IPv4)ですが、これの次のバージョンがIPバージョン6(IPv6)です。IPネットワークに接続されたコンピュータ1台1台には識別番号としてIPアドレスが割り当てられていますが、IPv4では近い将来、IPアドレスが足りなくなる恐れがあります。IPv6では十分な数のIPアドレスが確保されるため、冷蔵庫やテレビなどの家電製品や自動車など、いろいろな機器をインターネットから制御できるようになります。またIPv6では、セキュリティ面など、ネットワークそのものが持っているさまざまな機能が強化されます。

■ルートサーバ
DNSの階層構造における最上位の「ルートゾーン」を管理するネームサーバ群のことを指します。ルートサーバはa.root-servers.netからm.root-servers.netまでの13のホスト名として見えますが、実際には装置の多重化やIPエニーキャスト(IP Anycast)という技術を用いて、1つのホスト名で複数のネームサーバが運用されています。このように、さまざまな技術を用いてルートサーバの性能・安定性を向上させる動きが進んでいます。ルートサーバはDNSの根幹にかかわる情報を提供しており、その意味でインターネットの根幹を支えているということができます。

■株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
http://jprs.co.jp/
http://日本レジストリサービス.jp/
JPドメイン名の登録・管理、およびドメインネームシステム(DNS)の運用を行う会社として2000年12月26日に設立。JPRSはネットワークの基盤を支える企業として、インターネットの発展に寄与し、人と社会の豊かな未来を築くことに貢献することを企業理念として活動しています。

■参考URL

JPRSの2003年5月26日付報道発表文書
「インテック・ネットコア、JPRSが次世代インターネット普及度測定の共同研究を開始」
http://jprs.co.jp/press/030526.html

■本件に関するお問い合わせ先

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)社長室広報
TEL:03-5215-8451 FAX:03-5215-8452
e-mail: press@jprs.co.jp
http://jprs.co.jp/
http://日本レジストリサービス.jp/
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1千代田ファーストビル東館13階

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