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委員会資料

第61回JPドメイン名諮問委員会議事録

株式会社日本レジストリサービス  第61回JPドメイン名諮問委員会  議事録

1. 日 時: 2018年5月9日(水) 13:30 ~ 14:56
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 大会議室 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長 武山芳夫 副委員長 金子宏直 委員 佐々倉秀一 委員 内藤茂雄 委員 唯根妙子 委員
4. 同 席 者: 堀田博文 (JPRS 取締役) 宇井隆晴 (JPRS 事務局) 遠藤淳 (JPRS 事務局) 常山敬秀 (JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会 2. 議題 (1) 諮問「JPドメイン名諮問委員会規則について」について (2) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について (3) その他 3. 閉会
6. 資 料:
資料1 第9期JPドメイン名諮問委員会委員一覧 資料2 論点資料:「JPドメイン名諮問委員会規則」に関する議論 資料3 JPドメイン名諮問委員会の設置経緯 資料4 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について 参考資料1 諮問書「JPドメイン名諮問委員会規則について」 (JPRS-ADV-2017001) 参考資料2 JPドメイン名諮問委員会規則 参考資料3 論点資料:「JPドメイン名諮問委員会規則」について
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局) ------------------------------------------------------------------------ <開 会>
《出席状況の報告》
●本日の委員会には、後藤滋樹委員長、武山芳夫副委員長、金子宏直委員、佐々 倉秀一委員、内藤茂雄委員、唯根妙子委員、以上6名の出席をいただいている。 従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な 定足数の「全委員の過半数」を満たしていることを報告する。
また、本日、丸橋透委員については、ご都合によりご欠席の旨、予めご連絡を いただいている。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、遠藤淳、常山敬秀が同席する。
<議題(1) 諮問「JPドメイン名諮問委員会規則について」について>
◎昨年12月6日に開催された第60回委員会のなかで、JPRSより諮問書「JPドメイン 名諮問委員会規則について」が提出された。今回は、前回の議論を整理する資料 を事務局が作成したので、それを基に前回の論点を確認した上で、更に議論を深 めていければと思う。事務局より、資料について説明いただきたい。
[事務局より資料について説明] - 資料2 論点資料:「JPドメイン名諮問委員会規則」に関する議論
◎説明の中であった「JPドメイン名登録管理業務の公平性・中立性の維持が設置 目的となっている経緯」については、JPRSより説明いただきたい。
[取締役堀田博文より資料について説明] - 資料3 JPドメイン名諮問委員会の設置経緯
◎事務局にて本日欠席の丸橋委員へ事前に内容を説明し、意見をいただいている とのことである。事務局より報告いただきたい。
●丸橋委員の意見を報告する。 - 論点1「委員会の開催時期及び『定例』と『臨時』の区分け」、論点4「委員 長等の選任を行う委員会の開催時期」については、諮問委員会の運営の実態 に合わせて規則を修正するという、資料に記載の方向性でよいと思う。 - 論点2「テレビ会議や電話会議による委員会への出席」については、実装を検 討する方向性でよいと思う。ただし、原則としては対面で集まり委員会を開催 することとし、現地出席が難しいけれども遠隔ならば出席できるという場合は、 例外的に認めるという形がよいと思う。 - 論点2を掘り下げた論点の代理出席について、遠隔の出席は委員本人が出席し やすくするためのものであり、遠隔で代理出席は考え方として違うと思う。 委員以外の諮問委員会への出席について、必要があれば遠隔も含めやっていた だくのはよいが、規則に定める類ではないと思う。 - 論点3「書面または電磁的方法(電子メール)による議決」については、諮問 委員会の公開の原則に抵触すると考えられ、実装するためには慎重な議論が 必要になる。論点2のテレビ会議システム等の導入で対応するのがよいと思う。
◎説明いただいた資料、丸橋委員からの意見を踏まえ、議論をし、答申骨子の 方向を定めていきたい。
○論点1,4について、丸橋委員の意見のとおり委員会の運営という意味で合理的 なやり方だと思う。事務局の案でよいと思う。論点2は丸橋委員の意見のとおり、 公開かつ対面の原則は尊重した方がよいと思う。一方で、できるだけ大勢で議論 するという意味も無視できないので、やむを得ない場合についてはテレビ会議や 電話会議で議論に出席することもありだと思う。論点3について、全部を公開しな ければならないのか、議決だけのためにお忙しい皆さまに集まっていただく必要 があるのか、という点は議論の余地があると思う。例えば、諮問書に対する答申 書がまとまり「大体良い」となった後に、誤字が見つかり、わざわざもう1回集 まっていただくことは、やり過ぎだと思う。形式的な修正など軽微な事項はメー ル等で済ませてもよいのではないかと思う。「軽微」の判断は悩ましいところが あるので、例えば、委員長が軽微と判断したものについては電子メール等での決 定を行うという形を検討してはどうかと思う。
◎事務局の整理のような「委員長に一任」というプロセスで考えればよいことと、 日付が入るようなものは「どの時点で確定したか」という記録に残るものである ので、その場合は区別をした方がよいことかと思う。ケースバイケースだとは思 う。都内のある大学の教授会では、原則として現地出席することになっており、 海外出張の人は定足数から外れてしまうため、遠隔では出席できない。ただし、 九州にもキャンパスがあり「教授会のために毎回都内に来るのか」ということに なるため、ルール上「認めれば遠隔参加できる」と記載があり、グループ的に遠 隔から出席している。
○今までの意見の方向性でよいと思う。最終的に電子メールではどのような場合 があるかということを調整いただければ、総論は賛成である。
○Skypeのような電子会議は自分のPCでもできるが、キャンパス間の電子会議シス テムと違う点は、うまく繋がらない場合が多々ある点である。会議自体の日時が 決まっているが、遠隔参加する方がいて、たまたまうまく繋がらず技術的な問題 が起きた場合、諮問委員会の運営を止めて出席できるようにするのか、開催時間 の厳守を優先するのか、技術的な問題とは別に、遅刻扱いにするのかということ を決めないと難しい。また、1人の場合はよいが、2人の場合どうするのか、とい うことも生じると思う。前向きにとは思うが、けっこう難しいという気もする。 検討いただければと思う。
◎定足を成立させるためにどうしても出席してほしいという方が非常に不調だと 他の方は待っている状態になってしまう。せっかく現地出席したのに成立しない 可能性が出てくるため、教授会で「どちらにエネルギーを割くか」を比較検討し たことがある。原則としてはなるべく現地出席し、しかし現地出席を必須にする と、何が起こるかわからない。例えば、自然災害や大規模な交通混乱も、リスク マネジメントとしては想定しておいた方がよい。常に対面はきついと思うが「で きるだけ集まる」という方向かと思う。
○今まで出席して、事前に各委員の出席可能な日時で調整し、基本的には全員出 席できる場所ということでこの会場が設定されているので、実態上はほぼ出席で きる方がほとんどである。直前のご都合で出席できないことはあるかと思うが、 定足数を満たすような運営がされてきたのではないかと思う。常に行っている会 議体という意味では、原則なるべく集まって顔を合わせながら議論し、年に数回 開催することが基本ということで、よいと思う。電子的な会議の運営についても、 例えば丸橋委員が本日欠席であったが、事前に意見を求め委員会で紹介いただき、 それが反映されるという形も1つの方法として運営されている。「遠隔での出席が 可能であることが望ましい」ということに異論はないが、技術的にできるのであ ればよい。技術的に成り立ちにくいということがあれば、後順位に置いてもよい という印象を持った。
◎確かに定型で日時が決まっている会議もあるが、事務局が毎回日程調整をして いるので、その通りだと思う。現在の調整状況では、出席者が多い日程に調整い ただいている。
◎資料3の諮問委員会の設置経緯について、スライド7,8に参考として記載されて いる過去の諮問事項を見ると確かにセキュリティに関わるような話もあり、議論 の範囲を限っている訳ではない。しかし、設置経緯から「公平性・中立性」とい うキーワードが出ているのだと思う。
○資料3のスライド6のように、諮問委員会の位置づけは歴史的な背景があり、公 平性・中立性を確保するために生まれた機関であることを念頭に置きながら、委 員会での議論はスライド6の図の左側の観点で議論するという構図は整理されて いると思う。
○同じく、諮問委員会の位置づけを確認できた。
○欠席のときも事前に意見を聴収し反映していただき、議事録で拝見するという 今までの運営で問題なかったと思う。公開の原則があるため、電子メールは軽微 な確認等の限定的な利用という皆さまの意見に賛成する。
◎意見が対立している箇所はないので、皆さまのご意見を基に、私と事務局にて 答申骨子(案)を作成していきたいと思うがよいか。
[委員から異論なし]
◎それでは進めていく。
<議題(2) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について>
◎「JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況」について、JPRSより説明 いただきたい。
[事務局より資料について説明] - 資料4 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
○資料4のスライド6、JPドメイン名の登録数推移について、マーケットという 観点で見たときに今後の方向として、今のままで拡大していくという予想を立て ているのか、それとも、今のままでいくとどこかで横ばいになる可能性があるの で、新たなドメイン名というものを作っていくのか、すなわち、一般企業でいう 「商品開発」を考えているのか。その辺はいかがか。
●現状のドメイン名の需要の在り方・使われ方を見ると、日本をはじめ先進国で はインターネットがほぼ普及しきっている。例えばホームページやメールでも インターネットの仕組みが大体普及してきたという現状において、今の使われ方 をしているドメイン名の登録数は「急激に増える」というような状況ではないと 思っている。社会全体の経済の拡大や、企業活動の拡大の中で「少しずつ増える」 という流れはあるかもしれないが、表現としては「堅調な成長」に留まると思う。
しかし、ドメイン名の中では、実際の需要とは違うマーケットも出ている。「投 機的な動き」のターゲットになりやすい「.com」「.net」といったgTLDドメイン 名や、新gTLDドメイン名は非常に数が多い。特に新gTLDドメイン名は急激な増減 という変動を見せるときがある。実際の「世の中の需要の高まり」という動きで はなく、ある特定のお金の流れや盛り上がりが、色濃く出ているのではないかと 思う。
JPドメイン名はそのようなものではないと思う。「皆様にいかに使っていただく ドメイン名であり続けるか」という中で「新しい商品としてドメイン名の種類を 増やすこと等が何かの役に立つのか」は、過去に諮問委員会でも「『.lg.jp』の 新設」について議論したこともあるが、現状はすぐに何かを持っている状況では ない。属性の種類より「ドメイン名自体の使われ方について拡大できる何かがあ るのか」を模索しているところである。
世の中のいろいろなサービス・アプリ等では、ドメイン名が利用者から見えない ものが多くなっている。実際に後ろ側で使われているためドメイン名がなくなる 訳ではないが、「一般の皆さまにどう認知していただき、価値を感じていただい て、使っていただくのか」という考えでプロモーションや教育啓発のような活動 も大事だと思って続けているところが現状である。
○IoTの時代に、今まで人が使っていたものであるドメイン名が、ものにアドレ スが振られるという中で、何か起こることはあるのか。
●仕組みの中でドメイン名が使われることは充分あると思われる。デバイスの数 は単位で何桁も増えているため、それを管理するためにドメイン名とDNSという 仕組みを使うというものはあると思う。しかし、そのときに使われるドメイン名 は、1つ1つレジストリに登録されるものではないと思う。我々は技術をきちんと 進歩させていく、ドメイン名を売るだけでなくDNSという仕組みを世の中で使える ものであり続けるように進化させていく、そのようなところで技術的な取り組み を続けていく必要があると思う。
◎これからどう使われるかは確かに予測が難しい。ドメイン名を次々と出すか ということはわからないが、DNSの全体としての負荷は上がるだろうという予測 はある。「どう使われるか」は、ドメイン名の登録もあるが、JPRSには「.jp」の DNSの大元という役割もあり、「安定」というキーワードも入っている。「ドメ イン名を新たに」というだけではなく、動かさなければならないというところが ある。「どのような方向に行くか」というところは注目すべきであるし、「今の 技術でいくと何かがボトルネックになってしまうのではないか」という話は充分 に注意して見ていく必要がある。
日本はドメイン名の数はそれほど多くないが、逆にDomain SurveyでDNSの逆引き でホスト数をカウントすると、国ごとに見ると日本は飛び抜けて多い。その次は ドイツで、ブラジルに抜かれるかどうかという状況である。日本はドイツの2倍 ホストカウントがあったと思う。その数字もほぼ安定的な推移になっているので、 日本は1つのドメイン名あたり収容しているホストが多いということが特徴である と思う。ホストカウントについてどのぐらいが一番良いバランスかということは、 みんなが考えなければいけない。
IPアドレスにしてもIPv4アドレスは枯渇しているので、新しくネットをやる人は IPv6アドレスになる。IPv6アドレスは非常に多いので、一度割り当てをもらうと 使い方によるが簡単にはなくならない。そうするとドメイン名と同じようにIP アドレスもずっとそれを使う傾向になる。IPアドレスやドメイン名は、管理運営 機関の仕事もスタイルも変わるのではないかと予測している人もいる。ルールを 決めれば変わるというものでもなく、使う人がどのような行動をとるかというこ とも含めた話であるので予測は難しいが、責任がある組織としては幅広くいろい ろな可能性を検討し、実際にやるときは使う人と一緒に対応する、というスタイ ルになるのではないかと思う。
○都道府県型JPドメイン名では、都道府県名や政令指定都市名はどのように扱わ れているのか。
●資料4のスライド4に例を記載した。都道府県型JPドメイン名は「.jp」の下の 階層に47の都道府県名のアルファベットと日本語両方あるがどちらかが入り、そ の下の第3階層に文字列を登録いただく形である。
○資料4のスライド11では「yokohama」という都道府県ではないものがある。
●スライド11はJPドメイン名ではなくICANNの募集によって生まれた新しいgTLD ドメイン名である。後ろに「.jp」がつかず「.tokyo」で終わる。
○「.jp」と競合するのではないか。過去の委員会で、例えば日本の伝統工芸品を 売るときに「.jp」を使うか「.com」を使うかという話をしたと記憶している。 英語のWebページを作り、海外に伝統工芸品を売ろうとすると「.com」を使うとい う事例で、本来、日本のものを強調するところと逆になる。英語のコンテンツに 力を入れれば入れるほど「.com」が使われるということがあると思う。
都道府県型JPドメイン名の第2階層は都道府県名に限定されるという話であった が、例えばある言葉が日本の地名と被っていたとき、既存の地理的ドメイン名と しての使用を認めることで、その地名の業者しか使えないのであれば利用価値は あまりないと思うが、その言葉の価値を利用する予定はないか。
●第2階層は汎用JPドメイン名で登録できる名前空間になっているため、第2階層 に何か新しいものを作ってサービスすることは、JPRSとしては難しい状況である。 都道府県型JPドメイン名は、その前からあった地域型JPドメイン名を作り変える 形でサービスをしたため、都道府県名が我々のサービスの階層として保持できて いる。JPRSとしてはドメイン名の1つでも、そのドメイン名を大いに活用いただ き、その人がいろいろなサービスを行い、我々がサービスとして提供したさらに 先の階層でドメイン名を活用いただくことは大いにやっていただき、ドメイン名 がより使われるのであればよいのではないかと思う。
○中立・公正という観点から、日本の産業分類を識別する機能を文字列に持たせ ることはおかしなやり方ではないと思う。逆に、海外の企業等が勝手に登録する ことを避けるためにも、また、文字列によっては使い勝手がよいと思うので、検 討する余地はないかと思った。使いやすい文字列は目をつけられると、たくさん 登録されてしまったり、悪用されてしまったりする恐れもあると思う。論理的な 整理をした上で、保存することを検討されてはどうかを思った。
◎予約語というもので登録をブロックしているものが昔からある。資料にも あった学校名の日本語JPドメイン名も典型例であったが、公平・中立という意味 では、一方に「使いたい」という人がいて、もう一方は「使うと混乱する」とい う人がいて、100%, 0%ではない議論になる。時間をかけて対応いただいた。
●予約語は日本語ドメイン名を作るときにも考えた。日本語の中で予約語とする 文字列の決め方は、例えば電話帳の業界分類の単語を探す等、いろいろと参考に した。それらはまだ予約語としている。その中で上手にみんなで使うことができ る良い発展方法が見つかるならば、それは見つけた人に使っていただくことはあ りだと思っている。
◎予約語はインターネットの規格では「誰かが予約している」という訳ではなく、 「使わないことになっている」という意味である。他の通信規約では使わない用 語であるが、インターネットの規約では良く使われる。予約語のリストは日本で はかなり議論を重ねて、新しいことを始めるときに、いろいろな人の意見を聞い て決めた。JPドメイン名は信頼感があるということの1つの理由になっていると 思う。
◎また情報があれば都度お知らせいただきたい。本日ご説明いただいた内容や、 ご意見ご質問いただいたことを考慮しつつ、今後の諮問委員会を進める。
<議題(3) その他>
◎事務局より情報提供がある。
●武山副委員長が前島密賞を受賞したので紹介する。
[事務局より説明]
[武山副委員長より挨拶]
《今後の予定について》
◎第61回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。次回の委員会の具体的な 日程については、また後日、事務局より調整させていただく。
<閉会>

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