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委員会資料

第25回JPドメイン名諮問委員会 議事録

株式会社日本レジストリサービス  第25回JPドメイン名諮問委員会  議事録


1. 日    時: 2008年8月27日(水) 10:00 ~ 11:17


2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
              東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F


3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長
              松本恒雄 副委員長
              高瀬哲哉 委員
              林一司   委員
              唯根妙子 委員


4. 同 席 者: 堀田博文  (JPRS 取締役)
              濱川渡    (JPRS 取締役)
              谷島隆彦  (JPRS 事務局)
              松丸真紀子(JPRS 事務局)


5. 次    第:

   1. 開会
   2. 議題
      (1) 第4期JPドメイン名諮問委員会委員の交代に関するご報告
      (2) 諮問書『 「.日本」をJPRSにて管理することになった場合の、「.日
          本」と「.JP」との関連付けに関する方針について』
          (JPRS-ADV-2008001)
      (3) その他
   3. 閉会


6. 資    料:

    資料1 JPドメイン名諮問委員会 委員一覧
    資料2 JPドメイン名諮問委員会委員 推薦者
    資料3 諮問書 「.日本」をJPRSにて管理することになった場合の、「.日本」
           と「.JP」との関連付けに関する方針について(JPRS-ADV-2008001)
    資料4 「.日本」と「.JP」の関連付けについて


7.議    事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役および事務局の発言)
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<開  会>

《開会の挨拶》

《出席状況の報告》

●昨年4月より、第4期JPドメイン名諮問委員会委員として就任いただいていた加
藤雄一委員より、前回24回の委員会後に、期中における辞任の申し出があった。
その後、後任の方について、本年7月1日に委員会より、資料2のとおり、林一司
様を推薦いただいた。

これを受け、JPRSにおいては、8月6日(水)に取締役会を開催し、推薦書に基づき、
後任として林一司様を諮問委員に任命することを決議した。その後、林一司様よ
り就任への承諾をいただき、本日の「第25回JPドメイン名諮問委員会」に委員と
して参加いただいている次第である。以上、委員の交代につき、その手続きと経
過について報告した。

続いて本日の出席状況を報告する。本日の委員会には、後藤滋樹委員長、高瀬哲
哉委員、林一司委員、唯根妙子委員、以上4名の出席をいただき、諮問委員会規
則における開催に必要な定足数を満たしていることを報告する。なお、松本恒雄
副委員長は、若干遅れるが出席いただく。

遠藤紘一委員については、本日、都合により欠席の旨、予め連絡をいただいてい
る。

本日、JPRSからは堀田博文、濱川渡、谷島隆彦、松丸真紀子が同席する。

<議題(1) 第4期JPドメイン名諮問委員会委員の交代に関するご報告>

◎「第4期委員の交代」については、先ほどJPRSより報告いただいたので、ここ
では割愛する。

<議題(2) 諮問書『 「.日本」をJPRSにて管理することになった場合の、「.日
          本」と「.JP」との関連付けに関する方針について』
          (JPRS-ADV-2008001)>

◎本年6月2日に開催された第24回委員会の中で、「JPドメイン名の概況とドメ
イン名を取り巻く状況について」として、JPドメイン名も含めたレジストリの状
況やドメイン名に関連する新しい市場などについてJPRSより紹介いただいた。今
回は、紹介いただいたトピックの中から、IDN TLD「.日本」に関する方針につい
て、諮問書として提出いただいている。諮問書の内容について、JPRSより説明い
ただきたい。

[取締役堀田博文より諮問書について説明]
 - 資料3  諮問書 「.日本」をJPRSにて管理することになった場合の、「.日本」
          と「.JP」との関連付けに関する方針について(JPRS-ADV-2008001)

●詳細については事務局より説明する。

[事務局より資料について説明]
 - 資料4  「.日本」と「.JP」の関連付けについて

○「.COM」に対応するIDN TLDは、「.会社」といったものになるのか。

●gTLDの場合は「.COM」に対して「.会社」というものができると決まっている
わけではなく、申請されたいかなる文字列もTLDとして追加される可能性がある。

○gTLDにおいては無数にIDN TLDが増える可能性があるのか。

●可能性としてはあるが、申請する際に申請料として数百万円程度かかると言わ
れており、無数にはならないと思われる。

○JPRSが日本の会社向けに「.会社」というサービスを提供することもあり得る
のか。

●可能性としてはあり得る。

◎日本の公用語はどこかで定義されているのか。

●日本の法律においては、公用語が日本語であるという定義はされていないと理
解している。ICANNでは、その国で公用語が定義されていれば、それを公用語と
し、定義が無い国においては、憲法や法律などで使われている言語を公用語と見
なすという定義にしようとしている。

◎それは妥当だと思う。公用語の定義で揉める国がありそうである。

○国名や国名と紛らわしいgTLDが申請された場合はどうするのか。

●ICANNにおいて、国名もしくは国名と思しきものは、gTLDとして創設させない
方法を検討している。国連で定義されている国名のリストに載っているものは登
録させない、もしくは申請された後で反対を表明することができるプロセスを導
入することを検討している。

○漢字、平仮名、片仮名を使い分けることは可能か。

●「.日本」、「.にっぽん」、「.ニッポン」の3種類を申請して使うことは可能
かもしれないが、登録者や利用者にとってそれが望ましいかということになると
思う。JPRSが決めることではないが、JPRSとしては「.日本」のみで十分であり、
それ以上はなくてよいのではと考えている。

◎Fast Trackにおいては、1国につき1つだけしかIDN ccTLDを申請できないのか。

●日本の場合は、論理的には3つ可能である。文字集合が違えばそれぞれ毎に導
入が可能となっている。

○キリル文字と英字は分けて扱われるのか。

●そうである。キリル文字として申請が可能である。

○新字体や旧字体などはどうなるのか。

●日本においては、漢字という1つの文字集合に入っているため、新字体と旧字
体がある文字を使いたい場合は、どちらかをTLDとして申請することになる。

○全角のローマ字はIDN TLDとして申請が可能か。

●プロトコル上、全角のローマ字は半角に変換されるのでASCII文字列という扱
いになる。IDN TLDとしては申請できない。

◎台湾の「湾」には「灣」もあるが、どちらを選択するかはその国が決めるのか。

●そうである。

○「○○.日本」と「○○.JP」のドメイン名で示されるWebページ/メール送信先
を完全に同じものにすることは技術的に難しいとあるが、どのくらい難しいの
か。

●たとえばメールサーバで「.日本」と「.JP」が同じものになるようにする場合、
ISPやユーザ側での設定も必要になり、JPRSだけの処理ではできない。

◎技術的には可能だが、実際の運用を考えると、徹底することは難しいというこ
とである。従来は、同じIPアドレスでもドメイン名が違えば別のサーバであるよ
うに動かしており、それが普及につながったということもある。送信先を同じに
するとかえって運用者が気を遣うことになるかもしれない。

○IDN ccTLDが「.日本」になった場合、「.CO.JP」を「.会社.日本」などにする
のか。日本語JPドメイン名のみ「.日本」にするのか。

●現時点では、まずは「.JP」を「.日本」に関連付けることだけにした方が分か
りやすいのではないかと考えている。次の段階として属性の部分をどうするのか
検討したいと考えている。

○世界的に見た場合、関連付けのルールが国によって違うと混乱するのではない
か。この点について他のccTLDはどのように考えているのか。

●CNNICなどと話しており、国によって全く違うモデルだと混乱を与えるという
話は出ている。なるべく同じモデルが良いと考えているが、最終的にはその国に
とって一番良い方法をその国が決めることになるだろう。

○日本語JPドメイン名を登録している人には「.日本」を関連付けた方がよいと
思うが、ASCII文字列しか使われていないドメイン名を登録している人にも「.日
本」を関連付けるのか。「.JP」では希望するドメイン名を登録できなかったが、
新しく創設される「.日本」ではもう一度登録の機会を与えるという形にするこ
とも考えられる。

●その点についても議論いただきたいと考えている。「IBM.JP」を例にとると、
「IBM」という文字列は日本語の文字列として浸透していると思うので、
「IBM.JP」に「IBM.日本」を関連付けないことは考えにくい。一方、「.JP」と
「.日本」それぞれ別々に競争する方が平等になるという考え方もある。JPRSと
してどちらにすべきかということは決めていない。

◎今後のIDN ccTLD導入の計画は、gTLDの計画と同じように進んでいくのか。ま
た、ICANN理事会はどれくらいの頻度で開催されているのか。

●gTLDの計画と同じように進んでいくと想定している。これまでのICANNの検討
の進捗を見ると遅れることが予想されるが、年単位の遅れは無いと考えている。
今年の11月に予定されているICANNの会合で大まかなスケジュールは決まる予定
である。その計画に合わせて諮問委員会における議論を進めていただけるとあり
がたい。

◎次回の諮問委員会で、ICANNの会合の様子や各国との情報交換の状況など教え
て欲しい。

●承知した。約1ヶ月前に、中国が「.CN」を登録している人に「.中国」を自動
的に関連付けるという基本的な考え方を表明した。

○その場合は、登録料を取ることは難しいのではないか。

●自動的に関連付けられるという理由だけでドメイン名に対して登録料を取る
のはおかしいと思う。そのドメイン名をWebにつながるようにする場合にコスト
がかかるのであれば、そこのコスト分の料金を取るという可能性はある。

◎「.JP」と「.日本」を自動的に関連付ける場合でも、データベースの部分でコ
ストが発生すると思う。そのコストを誰が負担するのか整理しておく必要がある
かもしれない。

○「.JP」と「.日本」を関連付けることを最終的に決めるのはどこか。

●「.JP」に対応するIDN ccTLDのドメイン名空間については、政府が条件を決め
ると思う。たとえば、混乱を与えないことを重視するのか、「.JP」と競争する
ということを重視するのか、などといったことなどである。そのような選定プロ
セスに関しては、JPRSがコントロールできるものではないので、質問に対して責
任を持った回答はできない。つまり、関連付けをすることに対する見解を政府が
表明するのかしないのかは政府が決めることであり、表明しない場合は、レジス
トリが表明することになろう。諮問委員会としては、JPドメイン名の登録者やJP
ドメイン名にアクセスする人に対してどういう方法が望ましいか、という観点か
らの議論をお願いしたい。

○「.JP」と「.日本」のDRPが別々のルールや機関になると複雑になると思う。

●たとえば「IBM.JP」と「IBM.日本」で違う裁定が出た場合は混乱するだろう。
私見ではあるが、「.日本」に対しても「.JP」と同じJP-DRPを使うべきだと考え
ている。「.JP」と「.日本」を関連付けておけば同じ裁定が出ると思うので、そ
こに限って見れば関連付けされている方がよいと思う。

◎DRPについては、今後の検討の上で重要な項目だと思う。

○シンプルで混乱を招かないモデルがよい。

○「.日本」はフィッシングに悪用される可能性があるのではないか。

◎セカンドレベルをIDN化した時にもその議論があった。キリル文字やギリシャ
文字では見た目をそっくりにできる場合があるのでフィッシングが懸念されてい
たが、実際は大きな問題にはならなかったのではないか。

●「.JP」の下では、日本語ドメイン名があるからフィッシングが起こったとい
うケースは皆無だと思う。

◎「.JP」と「.日本」のドメイン名空間を完全に独立させた方がよいという意見
は無かった。「.JP」と「.日本」を関連付けることをベースにして答申骨子(案)
を書くということでよいか。

○最初の案としては、それでよい。ただし、「.JP」と「.日本」を関連付けるこ
とを確定とはせずに、メリットとデメリットを分析していただきたい。その上で、
別の案も検討した方が良いということであればそちらも検討して欲しい。

◎本日、説明いただいた諮問書の内容と、皆様のご意見に基づいて、本年11月頃
の委員会でさらに議論を行い、来年2月頃の委員会で答申書としてまとめるとい
う流れになると思う。ICANNの状況や中国以外の国の進展があれば報告をいただ
きたい。本件については、事務局で取りまとめをお願いしたい。

<議題(3) その他>

《今後の予定について》

◎次回の諮問委員会の開催については、第26回を2008年11月に予定している。具
体的な日程については、事務局から相談する。以上をもって、第25回諮問委員会
を閉会とする。

<閉会>

                                                                    以上

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