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委員会資料

第17回JPドメイン名諮問委員会 議事録

株式会社日本レジストリサービス  第17回JPドメイン名諮問委員会 議事録


1. 日    時: 2006年8月31日(木) 10:00 ~ 12:30


2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
              東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F


3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長
              松本恒雄 副委員長
              加藤真代 委員
              加藤雄一 委員
              棚橋康郎 委員


4. 同 席 者: 堀田博文  (JPRS 取締役)
              濱川渡    (JPRS 総務本部長)
              宇井隆晴  (JPRS 企画部長)


5. 次    第:

   1. 開会
   2. 議題
      (1) 2006年度諮問事項についての報告、審議
      (2) 日本国政府におけるドメイン名利用の方向性とJPドメイン名としての
          対応
      (3) ドメイン名登録情報の公開と保護に関する議論の動向
      (4) その他
   3. 閉会



6. 資     料:

    資料1 JPドメイン名諮問委員会委員一覧  
    資料2  諮問書「属性型・地域型JPドメイン名での組織の合併等における1組織 
           1ドメイン名の原則の適用について」(JPRS-ADV-2006001) 
    資料3  諮問書:JPRS-ADV-2006001に関する論点について 
    資料4  2002年度JPドメイン名諮問委員会における1組織1ドメイン名に関する議論 
    資料5  日本国政府におけるドメイン名利用の方向性とJPドメイン名としての対応 
    資料6  ドメイン名登録情報の公開と保護に関する議論の動向 


7.議  事(◎は委員長、○は委員、●は JPRS 取締役および事務局の発言)

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<開  会>

《開会の挨拶》

《出席状況の報告》

●本日は、後藤滋樹委員長、松本恒雄副委員長、加藤真代委員、加藤雄一委員、
棚橋康郎委員、以上5名のご出席をいただき、 JPドメイン名諮問委員会規則で
の委員会開催の定足数を満たしていることをご報告申し上げる。

なお、本日ご欠席の飯塚委員へは、事務局より事前に本日の資料につきご説明に
上がっているので、議事の中で必要に応じ飯塚委員からのコメントを紹介させて
いただく。

本日、JPRSからは堀田博文、濱川渡、宇井隆晴が同席させていただく。

では、議事を進めさせていただく。


<議題(1) 2006年度諮問事項についての報告、審議>

◎本年5月29日に開催された第16回委員会のなかで、「JPドメイン名の概況と
2006年度の検討課題(案)」として、JPRSより3つのテーマをあげていただいた。

今回は、前回挙げられていた3つのテーマのうちの1つである「属性型・地域型JP
ドメイン名での組織の合併時等における1組織1ドメイン名の原則の適用について」
について、諮問書としてご提出いただいている。諮問書の内容について、JPRSよ
りご説明いただきたい。

[取締役堀田博文より諮問書について説明]
- 資料2  諮問書「属性型・地域型JPドメイン名での組織の合併等における
         1組織1ドメイン名の原則の適用について」(JPRS-ADV-2006001) 

●詳細については事務局より説明する。

[事務局より資料について説明]
- 資料3  諮問書:JPRS-ADV-2006001に関する論点について 
- 資料4  2002年度JPドメイン名諮問委員会における1組織1ドメイン名に関する議論 

●飯塚委員のコメントを簡単にご報告させていただく。今のインターネットは性
悪説に立って考えなければならないが、こういった事象についてはバランスが重
要である。JPRSのJPドメイン名登録管理業務は公益性が高く中立公平が求められ
るが、ルールや原則に紋切り型でいくということとイコールではない。具体的な
事例としては、最近の銀行の合併などを見ていると、合併による名称の変更はも
ちろん、その後さらに名称が変更されるということも考えなくてはいけない。ま
た、過去に対する救済の要求があることは理解できるが、実際にサービスを提供
する立場に立った時、実運用が困難になってしまってはいけない。現実的な範囲
でそれが可能かどうかをみることも必要である。以上。

○「組織」は法人格単位で考えるのか。持ち株会社の下に複数の会社がぶら下が
るという合併も考えることができるが、その場合どうカウントするのか。

●属性型JPドメイン名では登録対象として組織を定めており、CO.JPドメイン名
ではこの「組織」を「法人」という単位で運用している。社内カンパニー制など
あるが、そのあたりはもう少し違った議論が必要だと考えている。

○1組織1ドメイン名の原則によるJPドメイン名の信頼性は非常に高いと思う。そ
の原則をどこまで守るのか、というところがポイントになってくると考える。ルー
ルは簡単なものにし、例外をあまり設けない方がいい。

○登録しているドメイン名を1つに絞ることで信頼性が担保できるのであれば、
企業としてドメイン名を1つにするという変更作業を行うことは当然のように思
う。利用者から見ると、ある組織が登録しているドメイン名が2つあることで混
乱が起こるのではないか。

◎1組織1ドメイン名の原則を忠実に守ると、使用していたドメイン名はある一定
の凍結期間を経た後に開放され、そのドメイン名を第三者が登録するかもしれな
い。そしてフィッシングとして利用される危険性もある。

○飯塚委員のコメントにもあるように、インターネット自体は悪用されることを
前提で考えなければいけない。使用していたドメイン名を第三者が悪用し、利用
者がブックマークしていたURLにスパイウェアを仕込んでおくというようなこと
も考えられるので、使用していたドメイン名を保護することは、利用者保護の観
点からも必要であると考える。

●A銀行とB銀行が合併し、AB銀行になった場合、A銀行は人々の記憶に残ってい
る。併用期間が終了した後、第三者が利用するものとは思ってもいない。ドメイ
ン名を運用する側から見ると半永久的に使用していたドメイン名の登録を許した
方が利用者の混乱が少ないのではないか。

○半永久的に欠番にするのは必要なのだろうか。もう少し利用者も利口にならな
ければいけない。何でもかんでも保護するというのはどうだろうか。

●ドメイン名と似た考え方で商標がある。企業は一度商標を登録すると、捨てて
いい状況になるまで放棄しない。企業側の論理からすると、ドメイン名も同じよ
うにずっと守っておきたいということを言われる。これについて利用者側の視点
からも考える必要がある。ドメイン名を廃止した後、そのドメイン名を悪用する
ケースがある。日本ではまだあまり見かけないが、前回の諮問委員会で説明した
ドメインテイスティングというものがある。ある程度のアクセス数が見込めるド
メイン名のみを登録して、アクセスを稼いでいる。長い時間をかければ少しずつ
利用者に周知され変更後のドメイン名へと移行していくことは可能だが、以前利
用していたドメイン名が解放されたあとすぐ、そのドメイン名を登録し利用する
ことが可能となることに対し、どう対処するかgTLDでも問題になっている。制度
を変える場合、このような点についても議論しておくことが必要。

○銀行のような信頼のあるところで使われていたドメイン名を悪用されると、と
ても被害が大きい。

○事業の種類によって対応を変えるのは煩雑になると思う。銀行は欠番にするよ
いうようなことが考えられるが、事業によって線引きしていくことは難しい。

◎これまでの議論で出てきた意見をまとめると、次のようになると思う。新規の
場合の1組織1ドメイン名の原則は必要だが、企業の合併などによりこれまで利用
していたドメイン名を手放し、それを他の人が利用すると混乱が発生すると予想
される。改善するには様々なバリエーションが考えられるが、ルールが複雑なも
のになると利用されなくなるので単純明快なものがいい。「企業合併後もドメイ
ン名を継続して利用して良い」とすれば、以前利用していたドメイン名と合併後
に登録したドメイン名が両方使うことができる。以前利用していたドメイン名が
リリースされてしまうと悪用されるかもしれないので、ドメイン名の廃止後から
次の人が登録できるまでの時間を長くすることも考えられる。

○公共財産を占有していることから、1つの企業で複数のドメイン名を登録する
場合、登録しているドメイン名の数に応じて1ドメイン名あたりの料金を高くす
ることはできないか。

◎合併したことを言うとドメイン名を1つ廃止しなければならなくなるので、言
わずに2つのドメイン名をそのまま利用し続ける方が得になってしまう。しかし、
社会への露出度が高い企業は合併したことを言うと思う。

○黙って2つのドメイン名使っている場合に罰則はないのか。

●ドメイン名を「正しくない状態で登録している」という扱いになり、場合によ
っては「取消しを行う」というルールはある。ただし、大きなサービスを運用し
ているケースもあり、実際に取り消しを行うと社会的な影響がでる。一概に罰則
としてやってしまって良いのかどうか、方針を改めて検討していきたいという背
景もある。現在は、併用期間を延長して対応しているが、時間的な制限となって
も、これまで利用していたドメイン名を手放すことはできないという要望がある。

○併用期間の延長は2回で終わりとするなど制限したほうがいいのではないか。

●最大2年までの延長という内規にしている。

○2年は長いと思う。それよりも関係者に対する周知の徹底を行い、なるべく早
く新しいドメイン名へ移行してもらうべきだと思う。

○最大2年の延長期間が終了直後にそのドメイン名は登録可能か。

●属性型JPドメイン名は、廃止後に半年間の凍結期間を経た後に登録可能となる。

◎合併などにより例外的に複数のドメイン名を持ち続けることと、1組織1ドメイ
ン名の原則に従い使用していたドメイン名をリリースした時に第三者がいつ登録
することができるのかということは、一見独立しているように見える。しかし、
第三者に登録されて悪用される影響を考えると、リリース後の再取得の期間を延
ばすということも考えられる。

○使用していたドメイン名を再利用されるのが困るのか、使用していたドメイン
名を使い続けたいのか、2つのうちのどちらなのか。

●使用していたドメイン名を使わないにしても、捨てることはできない、第三者
に使われたくないという理由が多い。

○以前、ISPのダイアルアップ接続に利用していた200個のアクセスポイントの電
話番号を統一するときに、利用者向けに電話番号が変更となることの周知を行っ
た。2年経過したあと、リリースされた旧電話番号を第三者が使用することになっ
たが、パソコン通信の利用者からの旧電話番号へのダイアルアップ接続がたびた
び発生し、無言電話がたくさんくるというクレームを受けた。そのため、現在で
は利用しなくなったアクセスポイントの電話番号も保持しておくようにしている。

◎ご意見をいただいたので、具体的な案を事務局より作っていただく。


<議題(2) 日本国政府におけるドメイン名利用の方向性とJPドメイン名としての
対応>

◎では、2つ目の議題である、「日本国政府におけるドメイン名利用の方向性と
JPドメイン名としての対応」について、事務局より本件への対応をご報告いただ
きたい。

[事務局より資料について説明]
- 資料5  日本国政府におけるドメイン名利用の方向性とJPドメイン名としての対応 

○「○○省○○局」であればGO.JPドメイン名を登録できるとあるが、△△課な
どでの単位でも可能なのか。

●組織単位を問わないので、部や係でも実際に存在している組織であれば登録を
認めている。

○組織が存在しているのかについてはどうやって確認しているのか。また、今回
のセキュア・ジャパン2006に伴うドメイン名の制度変更の責任はどこなのか。

●行政機構図という資料が公式なものとして存在しており、これを用いて組織の
実在性を確認している。ここに掲載されていないような細かい組織については、
その上部に該当する組織から照会をかける。また、セキュア・ジャパン2006は政
府の方針だが、GO.JPの制度変更に関する責任の所在はJPRSにある。

◎例えば同じ組織でASCIIで日本語のローマ字表記と英語表記の2つのドメイン名
を登録することが可能となるのか。

●可能となる。

○政府と民間の違いによる料金の差はあるのか。

●ない。

○政府の中でドメイン名を使い分ける積極的なニーズはあるのか。今回の制度変
更の背景は何か。

●セキュア・ジャパン2006では、フィッシングなどを防ぐために政府組織である
ことが明らかであるGO.JPドメイン名を活用していく、としている。政府では、
省庁や諸機関のWebサイト以外にも、国民に対しての情報提供やさまざまなアク
ティビティのためにWebサイトが活用されており、これまでは汎用JPドメイン名
や、.com、.netなどのgTLDも利用されていたが、これらもGO.JPドメイン名を利
用していくことになる。既に組織名でGO.JPドメイン名を登録している場合は、
従来の対応では必要もないのに部署名などを付加して異なる登録者名で登録する、
ということになる。政府としてはドメイン名の選択肢がGO.JPのみとなるため、
同一名義であっても複数のGO.JPドメイン名が登録できるとするのが適切と考え
た。

○民間でも部署名を付ければ異なる組織と見なして登録できるようにしないと不
公平ではないか。

●90年当時から組織の単位の議論をしており、政府の場合、組織の単位を定義で
きないという議論なった。定義しようとした時期もあったが、例外が多く組織の
定義ができず現状に至っている。

○独立行政法人の扱いはどうなのか。複数のGO.JPの登録を認めるのか、組織単
位がはっきりしているので1組織1ドメイン名となるのか。

●独立行政法人は組織単位がはっきりしているので、1組織1ドメイン名の原則を
守っていく。

○サービス単位での登録は考えられないのか。

●属性型JPドメイン名ではNE.JPがサービス名での登録になっているが、それ以
外は全て組織名となっており、GO.JPにおいても組織の名前で登録していただく
ことを想定している。

○国民に対してわかりやすいドメイン名ということで、1つの省でたくさん登録
した場合、日本語JPドメイン名の予約語ドメイン名へ自動的に加えていくことも
考える必要があるのではないか。

●予約ドメイン名の追加削除については随時行えるように調整しており、日々の
運用の中でできるようにしたい。

○例えば、消費者.jpを政府が予約ドメイン名として独占するのは不適切と考え
る。

●何を予約ドメイン名とすべきかという基準は、政府が国民に説明が可能な範囲
となると思う。

○予約ドメイン名にできるのは組織名までだと考える。例えば、防衛政策は民間
でも議論したいから、防衛政策.jpは政府に独占権があるのは適切でないと思う。
防衛庁.jpは政府のものだと思うが。

◎色々ご意見をいただいたが、これについては早急に行わなければいけない状況
にあり、1組織1ドメイン名の原則ということで、先ほどの議題(1)にも影響する
が、これについては報告ということでご説明をいただいた。運用においては本日
いただいたご意見を取り入れていただいて、混乱が生じないようにしていただき
たい。


<議題(3) ドメイン名登録情報の公開と保護に関する議論の動向>

◎では、3つ目の議題である、「ドメイン名登録情報の公開と保護に関する議論
の動向」について、事務局より本件への対応をご説明いただきたい。

[事務局より資料について説明]
- 資料6  ドメイン名登録情報の公開と保護に関する議論の動向 

○ICANNの体制の中で日本の個人または企業が入っているか。

●理事会に伊藤穣一氏が入っている。これまで理事会には日本から1人は入って
いる。以前は村井純氏が入っていた。政府諮問委員会には毎回総務省の方が2人
程度会合に出席されている。ルートサーバシステム諮問委員会の委員長を村井純
氏がなさっている。GNSOにはJPドメイン名の指定事業者から数名参加している。
ccTLDにはJPRSが入っている。ICANNの会合は年に3回開催されるが、日本からは
大体10人ぐらい参加している。

◎今後検討を進めていくにあたり、ガイドラインや基本的な考え方など決めなけ
ればいけない。原案は事務局の方で作成をお願いする。


<議題(4) その他>

《今後の予定について》

◎2006年度の諮問委員会の開催については、第18回を2006年11月、第19回を2007
年2月に予定している。具体的な日程については事務局からご相談させていただ
きたい。

《閉会》

◎以上をもって、第17回諮問委員会を閉会とする。

<閉会>

                                                                     以上

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