メニュー

委員会資料

第16回JPドメイン名諮問委員会 議事録

株式会社日本レジストリサービス  第16回JPドメイン名諮問委員会 議事録


1. 日    時: 2006年5月29日(月) 14:00 ~ 16:25


2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
              東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F


3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長
              松本恒雄 副委員長
              飯塚久夫 委員
              加藤真代 委員
              加藤雄一 委員
              棚橋康郎 委員


4. 同 席 者: 堀田博文  (JPRS 取締役)
              濱川渡    (JPRS 総務本部長)
              宇井隆晴  (JPRS 企画部長)


5. 次    第:

   1. 開会
   2. 議題
      (1) 答申書「JPドメイン名の基本的手続に対する柔軟性の導入について」
          (JPRS-ADVRPT-2004001)へのJPRSの対応に関するご報告
      (2) 答申書「日本語ドメイン名における予約ドメインの今後の取扱い方針
          について」(JPRS-ADVRPT-2005001)へのJPRSの対応に関するご報告
      (3) JPドメイン名の概況と2006年度の検討課題に関するご説明
      (4) その他
   3. 閉会


6. 資     料:

    資料1 JPドメイン名諮問委員会委員一覧  
    資料2 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2004001への対応 
    資料3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2005001への対応 
    資料4 JPドメイン名の概況と2006年度の検討課題(案) 


    参考資料1 JPドメイン名諮問委員会規則 
    参考資料2 諮問書JPRS-ADV-2004001 
    参考資料3 答申書JPRS-ADVRPT-2004001 
    参考資料4 諮問書JPRS-ADV-2005001 
    参考資料5 答申書JPRS-ADVRPT-2005001 


  報告書1 携帯型情報端末の紛失に関するご報告 


7.議  事(◎は委員長、○は委員、●は JPRS 取締役および事務局の発言)

----------------------------------------------------------------------------------
<開 会>

《開会の挨拶》

《出席状況の報告》
●本日は、後藤滋樹委員長、松本恒雄副委員長、飯塚久夫委員、加藤真代委員、
加藤雄一委員、棚橋康郎委員、以上6名全員のご出席を頂き、諮問委員会規則で
の議決定足数を満たしていることをご報告申し上げる。

まず、議事に先立ち、JPRSより2点ご報告申し上げる。

従前よりJPドメイン名諮問委員会に参加させていただいていたJPRS取締役の渡邊
哲男が、本年4月20日をもって辞任したたため、総務本部長の濱川渡が事務局とし
て進行役を務めさせていただく。

次に、当社従業員が本年4月に携帯型情報端末を紛失したことに関して、取締役
堀田博文よりご説明申し上げる。


[取締役堀田博文より報告書について説明]
  - 報告書1 携帯型情報端末の紛失に関するご報告 


●報告書1のとおり、携帯型情報端末を紛失したこと、および、再発防止策を講
じたことをご報告申し上げる。


●では改めて議事を進めさせていただく。本日、JPRSからは堀田博文、濱川渡、
宇井隆晴が同席させていただく。


<議題(1) 答申書「JPドメイン名の基本的手続に対する柔軟性の導入について」
  (JPRS-ADVRPT-2004001)へのJPRSの対応に関するご報告>


◎2004年12月に「合理的な範囲内で柔軟な対応をおこなうべきである」との趣旨
の答申をおこない、その対応について2005年5月にJPRSからの中間報告をいただき、
その後の検討、対応状況について、事務局からご説明いただきたい。


[事務局より資料について説明]
  - 資料2 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2004001への対応 


●「Domain Tasting」の詳細については後ほど事務局より説明する。


<議題(2) 答申書「日本語ドメイン名における予約ドメインの今後の取扱い方針
  について」(JPRS-ADVRPT-2005001)へのJPRSの対応に関するご報告>

[事務局より資料について説明]
  - 資料3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2005001への対応 


○答申JPRS-ADVRPT-2004001への対応がなぜ1年半の期間を要するのか。「Domain
 Tasting」については、新しく出てきた課題なのか。


●答申を頂いた時点では「Domain Tasting」という単語も存在しないような状況
だった。JPRSのサービスに組み込む検討を継続していたが、そのうちに「Domain 
Tasting」という問題が世界的に出てきた。今後はそのような状況の変化について
も、頻繁に情報共有をしていきたいと考えている。


◎中間報告はいただいていたが、今後とも引き続き委員との情報共有をお願いし
たい。


<議題(3) JPドメイン名の概況と2006年度の検討課題に関するご説明>


[事務局より資料について説明]
  - 資料4 JPドメイン名の概況と2006年度の検討課題(案) 


○検討課題(案)にある3点を2006年度の検討課題とするかどうかを決めるのか。
それとも各検討課題の議論をしてもよいのか。


◎各検討課題の議論でもかまわない。


○3点とも適切な検討課題であると思う。基本的な考え方でいくと、当初のイン
ターネットのユーザは性善説にたったものであったが、急激にその状況が変わっ
てしまっている。世の中全体の状況も大きく変わっているため、それに伴ってル
ールが変わっていくのは当然だと思う。変わり方については「誰かが誰かを規制
する」という考え方もあるが、インターネットの昔ながらのいい点である「民間
の知恵、いい意味での自主規制」という考え方もある。


○インターネットのユーザが大衆化して、性善説ばかりでは処理しきれない部分
が出てきているのは私も感じている。良心的でインターネットに素人的に参加し
ていく上で危険を回避したい。情報公開の問題については、善良な市民の不安を
払拭するという点で検討をお願いしたい。一組織一ドメイン名の原則の適用の問
題で、「ブランド名と企業名と両方とも使いたい」、「会社の名前ではなくてブ
ランド名で使いたい」といった要望はあるか。


●企業活動にインターネットが広く使われるようになった90年後半から、会社名
だけではなく商品名、ブランド名で登録したいという要望が出てきた。その要望
を受けて汎用JPドメイン名を始めた。JPRSとしては企業の社名はCO.JPドメイン名、
ブランド名、商品名は汎用JPドメイン名、という活用を想定している。CO.JPドメ
イン名は一組織一ドメイン名、汎用JPドメイン名は複数登録できる、というルー
ルになっている。


○汎用JPドメイン名の料金が.comなどに比べて高いのはなぜか。市場原理の問題
なのか、それとも事務処理コストの問題なのか。


●料金は競争材料のひとつで、個人ユーザにとっては大きな要素になる。現状、
JPドメイン名は.com、.netなどに比べると日本市場での実勢料金は若干高い傾向
にある。ドメイン名の登録管理業務において一定の信頼性、安定性を確保するた
めには相当額の投資が必要であり、これらを登録料・更新料で回収するためには、
登録ドメイン名の数で料金を割り出すことになる。JPドメイン名は約80万件であ
り、ここで算出される料金を指定事業者に提示し、指定事業者はそれにサービス
料金などを付加してユーザに提供している。

ドメイン名の登録数は、.comで4,000万件、.netなども数百万件と、JPドメイン名
に比べて登録数が大きく、レジストラに提示される1ドメイン名あたりの料金は必
然的に安くなる。JPドメイン名でも登録数を増やして、料金を下げていくような
施策を積極的に行っているが、追いつく段階にはなっていない。ただし、料金だ
けが競争要素ではないため、JPドメイン名ならではの良さを追求していき、登録
者にJPドメイン名を選んでもらえるような施策も進めている。


○日本の企業、個人において、JPドメイン名とgTLDのドメイン名の登録割合はど
れくらいか。


●正確な数字を持っている組織はないと思う。現状では「およそ半々程度」とい
う統計数値を良く見かける。「.comの方が多い」という情報も見かけるが、どち
らが正しいと言える状況にはない。


○図2(資料4)では、住所、電話番号は公開していないということか。


●公開連絡窓口については、公開必須項目は必要最低限と考えられるものににし
ており、窓口の代理も認めている。個人によるドメイン名登録において、第三者
がその個人に直接連絡しなければならない状況はあまりなく、運用上のトラブル
などであればドメイン名の運用を行っているサービス事業者が窓口となった方が
現実的であることも多いと考えている。図2は一例であり「JPRSサポート係」と書
くことも可能である。


◎図2は現状として正しいものだが、現在の問題は、公開連絡窓口情報ではなく、
登録者情報の「登録者名」に個人の名前が公開されてしまうことである。


●公開連絡窓口については代理を認めているが、登録者については代理を認めて
いない。しかし、個人名を登録者名として公開する必要はどれだけあるのか、と
いう視点から、「Whoisで情報を公開する目的」に立ち戻り、検討することがある
と考えている。


◎JPNICがJPドメイン名登録管理を行っていた時は、Whoisでは基本的に全ての項
目を公開していた。ダイレクトメール送付などの目的外利用などのトラブルもあ
り、また個人情報保護の社会的な流れもあって、現在のように公開項目を制限し
てきている。Whoisは機械的に大量検索を行うことも可能であり、そこに情報が公
開されるということは特に個人にとっては警戒感があると思う。とはいえ、登録
情報が全く参照できないというのでは困る状況もあるだろう。必要のある人が適
切な手段で参照できる必要はある。


○公開連絡窓口が正しく表示されていれば、登録者名を出さなければならないニ
ーズはないのではないか。


●「Whoisによる情報公開はなぜ必要か」という議論は国際的にも行われている。
この問題に対してはいろいろな立場の人がそれぞれの主張をしている。ドメイン
名の登録管理を行っているレジストリ・レジストラの立場、ユーザにサービスを
提供する立場、ネットワークを管理する立場、知的財産管理の立場などである。
ユーザにサービスを提供する視点に立てば、ビジネスとしてユーザの要求を満た
すことが重要であり、登録情報は非公開とすべきだ、となる。ネットワーク管理
の視点からは、「誰がドメイン名の登録者か」ではなく「どこに連絡すればトラ
ブルが解決するか」という情報が必要である。知的財産管理の視点では、自社の
知的財産を侵害するのは「誰か」が重要だ、となる。


○公開連絡窓口は登録事業者以外の、全く関係のない任意の第三者でもいいのか。


●「登録者本人に、間違いなく情報を伝達することができる存在」としている。
事業者でなくてもいい。


○知的財産管理の視点では「最終的に誰を訴えればいいのか」が大切なので、登
録者自身がWhoisで公開されていなくても、公開連絡窓口から登録者をトレースで
きればいい。しかし、公開連絡窓口に該当する人が信頼できる第三者でないと問
題になる。


●海外では、それが理由で代理の情報には問題があるという議論もある。JPドメ
イン名では、Whoisというインターネット上の手続きでだけではなく、書面での登
録情報開示手続きも用意している。自らが誰なのかを名乗ることで、Whoisでは公
開していない、登録者の詳細な情報の開示を受けることができる。知的財産管理
の立場からの要求に対してはこの手続きで対応できると考えている。インターネ
ットで簡単に調べられたほうがいいという意見があるのは当然であるが、そこは
「隠したい」というニーズとのバランスの中で調整できると考えている。


○ドメイン名は有限資産、または公共資産だという見方はあるのか。たとえば、
電波は有限資産であり、公共資産でもあり、どの周波数をだれが利用しているか
分かるようになっている。論理構造的にはそのあたりの議論が必要だと思う。


○インターネットの使い方は大きく変わってきている。昔の学術研究ネットワー
クから、商業ベースに変わってきている。インターネットのオープン性は維持し
つつも、今の使われ方が適正かどうか考えなければならない。ウイルスなど、イ
ンターネットは「恐いもの」「信用できないもの」というイメージもある。安全
性、信頼性という観点からの議論も必要だ。登録情報の公開だけでなく、ドメイ
ン名の不適合な登録も、一般の利用者が詐欺などの被害に遭うことも考えられる。
ただ、安全性・信頼性は大切なものであるが、それにはコストもかかる。そうい
う点も踏まえて、議論の幅を広げていくのがよいと思う。


○これは、匿名性に関する問題である。


◎関係する様々な立場の人に集まっていただいて議論・意見交換を行うなどして、
問題の認識を広げて検討を進めていくのがよいかもしれない。


○インターネットでセキュリティとプライバシーをどう両立するかの問題である
と認識している。発信者情報の開示、メールのサーバ認証など、大きな問題の一
部でしかない気がする。


●使いやすさが追求されてきているが、安全性、信頼性とのバランスが大事であ
る。こういう議論が起こるということは、インターネットが社会的なものとして
そこまで進化してきた証拠であるとも言える。この話題に関して最も極端なのは
アメリカである。.usは100万ぐらい登録があるが、登録者の代理は認めないとい
う法律がある。そのために.usは使いにくいと思われ、ユーザが.comに流れてしま
うこともある。規制すれば、ユーザは規制が低いところに流れていく。


◎人類の知恵が試されている局面であると思う。法律でしばって罰則にするのか、
合理的な人間が自発的に動くのか。ガバナンスの根幹に近い難しいテーマだが、
やりがいがあることでもある。委員の方々の知恵を借りて進めていきたい。時が
経てば結果の見直しが必要になるだろうが、「この時にはこの理由からこう判断
した」ということが記録されていくことが必要である。日本がパイオニアとなっ
て検討を進め、世界でも通用するものを作っていかなければならないと思う。


○会社法により会社組織のあり方が柔軟になった。この状況下で「1つの法人」と
いうものにどれくらい意味があるのだろうか。分社化を進めているところもあれ
ば、カンパニー制で会社としては1つ、というところもある。


○汎用JPドメイン名はひとつの会社でいくつでも登録できるので、会社法の施行
には関係がないのではないか。


●汎用JPドメイン名ができたために、CO.JPドメイン名は会社の看板である、とい
う意識が強くなっている部分もある。そして、会社法の施行により「会社」と
「事業体」の関係は多様化している。「社内カンパニーではCO.JPが登録できない
が、分社化すれば登録できる」というような、ドメイン名の制度が会社の形態を
縛るのはどうかとも思う。ドメイン名の登録にあたっての「組織」「会社」はい
かなるものか、という課題である。今回の資料にはそこまでは書いてないが、今
後検討すべき領域であると考える。


○金融再編成では、「知名度をあげるためにひとつの組織になっているが、中身
は別組織になっている」というケースもあると思う。今後はそういう状態が増え
てくるかもしれない。形式的には2法人のような状態である。「一組織一ドメイン
名」をやめるというのも1つの手段ではないか。


●「一組織一ドメイン名」が、今の企業形態、企業活動に即しているのかどうか、
という議論は行っていくべきだと思う。ただ、会社法が「一組織一ドメイン名」
を崩壊させるとは思っていない。


◎一組織一ドメイン名については、今回のCO.JPの議論だけではなく、独立行政法
人化や国立大学法人化の際にも同様に合併等の問題があった。


○企業合併時に、旧社名をブランド名として残すことはよくある。このドメイン
名を継続して登録できるようにすることは、第三者がそのドメイン名を登録でき
ないというある意味で不利益を生じさせるかもしれないが、商標などを企業が保
有し続けるのであれば、結局ドメイン名もそれにより保護されることになるので
はないか。


◎合併などの際には様々な要求が存在し得るが、何かしらの基準を設けないとい
けない。


◎このあたりでまとめて、次回以降の委員会で諮問として事務局よりご提出いた
だく。


<議題(4) その他>


《今後の予定について》


◎2006年度の諮問委員会の開催については、第17回を2006年8月、第18回を2006
年11月に予定している。具体的な日程については事務局からご相談させていただ
きたい。


《閉会》

◎以上をもって、第16回諮問委員会を閉会とする。


<閉会>

                                                                     以上

PAGE TOP